本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.8.16

東洋の暗黒時代

大河ドラマの「鎌倉殿の13人」を見ると、「西暦1221年の承久の変が、文明法則史学が教えるとおりに、東洋文明から西洋文明への大転換を告げる事件の一つだった事実」が、より鮮明に認識できるものと考えている。具体的には、「天皇」を中心とした「公家や貴族の文化」が滅ぶとともに、その後は、「武士による領土の奪い合い」が盛んになっていったことが見て取れるからである。別の言葉では、「西暦1200年から2000年前後」という期間が、「西洋の物質文明が開化し、その後、成長と熟成の時期を経て、崩壊の時期を迎えている状況」だったものと思われるのである。

つまり、「西暦400年から1200年前後」という期間が、「東洋の精神文明が開化し、成長と熟成の時期を経て、崩壊の時期を迎えていた状況」だったものの、「西暦1200年前後」を境にして、「西洋の暗黒時代」が「東洋の暗黒時代」へと移行したものと思われるのである。そして、この点については、現在の世界情勢からも明らかなように、「先進各国が、金融破たん危機に見舞われ、一方で、ロシアや中国は、誤った共産主義思想と虚構の資金力に振り回されている状況」とも理解できるのである。

より詳しく申し上げると、「お金(富)と宗教(神)との関係性」に関して、現在の「富の形骸化」、すなわち、「影も形も存在しないデジタル通貨が、神様と崇められるような状況」、あるいは、「宗教組織までもが、資金集めの手段として使われるような状況」は、まさに、「弘法大師空海の真言密教」が「念仏仏教」へと移行し、その後、「武士の時代において、比叡山の焼き討ち事件までもが発生する状況」を彷彿とさせる展開とも言えるのである。

このように、現在は、「軍事力や資金力が絶対的な力を持つ時代」であり、このことは、「東洋の精神文明」から判断すると、「暗黒時代」だった可能性があるとともに、今後は、1600年前と同様に、「東洋の光明時代」が始まるものと思われるのである。そして、この時に、反面教師の一つとなるのが、現在の「中国共産党」であり、実際には、「資本家を否定する共産主義思想」を標榜しながら、実際には、「虚構の資金力に裏付けられた巨大な軍事力を誇示している状況」とも言えるからである。

より具体的には、「西洋の光明時代」の残像を、一挙に背負いながら、今後は、「14億の民と巨大な経済を、どのように維持するのか?」が問題化する可能性、すなわち、「国家と国民との関係性」において、現在の「スリランカ」のように、「国民の不満や怒りが抑えられない状況」が予想される展開のことである。