本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.12.14
世界都市の崩壊
シュペングラーの「西洋の没落」では、「西暦2000年以降に発生する世界都市の崩壊」が、明確に予測されており、また、この理由としては、「魂の退位と頭脳の支配」などが指摘されている。別の言葉では、「消滅した魂に代わる、魂の化石としての知能」により、「土地から生まれた有機体である文化」が衰退し、一方で、「固結から生じた機構である文明」が発展するとも述べられているのである。
そして、この説明については、「文明法則史学」が教える「西洋と東洋との文明交代」や「私が作成した心の座標軸」のとおりの状況であり、実際には、「マクロ的な心の方向性」が「目に見えるもの」に向かいながら、「行動」が「自分に向かっている状態」を表しているのである。また、このような状況下では、「文明法則史学」が教えるとおりに、「マネーの大膨張」と、その後の「世界都市の崩壊」が発生し、この著書では、その原因の一つとして、「機械的、都市的概念である民主主義者の存在」が指摘されているのである。
より詳しく申し上げると、私の「心の仮説」のとおりに、「心の方向性」に関して、「魂よりも頭脳が偏重される傾向」が強まったために、「西洋的な唯物論が、800年という時間をかけて、徐々に、人々の意識に浸透した展開」のことである。別の言葉では、「社会の結び付き」や「共同体の規模」に関して、「世界都市の完成」を意味する「グローバリズム」により、「西洋の物質文明」がピークを迎えた可能性のことである。
ただし、その後は、「西暦2000年前後から、デリバティブの大膨張と崩壊が始まった」という展開となり、このことは、「大膨張したマネーが、人類の意識を混乱させるとともに、固結した西洋文明という機構を崩壊させる役割を担っていた状況」だったものと考えられるのである。つまり、「シュペングラー」が指摘するとおりに、「西暦1800年前後には、すでに、このことが予測されていた状況」であり、この原因としては、「貨幣に支配された人類が、民主主義を強調しすぎた点」も挙げられているのである。
このように、現在は、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊時」と、ほとんど似たような状況となっているが、この点については、「未来予測学の先駆者」とも言える「シュペングラー」や「村山節」が指摘するとおりの状況とも言えるようである。ただし、今後の注目点は、やはり、「水素エネルギーや核融合などの技術的な進化」であり、また、「四次元以降にまで進化可能な社会科学の存在」とも言えるようであり、この結果として、今後は、「決して、悲観するだけの状況ではない展開」が予想されるようである。