本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.12.15
65兆ドルのOTC為替デリバティブ
12月5日に「BIS(国際決済銀行)」が発表した「65兆ドル(約8900兆円)ものOTC為替デリバティブ」については、きわめて大きな違和感を覚えているが、その理由としては、「なぜ、今になって、このような発表を行うのか?」が挙げられるようである。つまり、現在の「金融専門家の常識」としては、「世界に約600兆ドルのOTCデリバティブが存在し、そのうち、約8割が金利デリバティブであり、また、約1割が為替デリバティブ、そして、その他に、株式や商品のデリバティブとCDSが存在する状況」が指摘できるのである。
より詳しく申し上げると、「金融界の大地震」を意味する「2008年のリーマンショック」に関しては、「デリバティブの急成長が止まったことが主な原因」であり、その後は、「世界的なQE」により、「インフレの大津波」が「海中の大津波のような状態で、金融界のブラックホールの中を進行していた状況」とも言えるのである。そして、現在の「目に見えるインフレ」については、「金融界のブラックホールに隠れていたデジタル通貨が、実体経済に浸み出してきた状況」を表しているものと考えている。
また、今後は、「目に見えない金融ツインタワー」の崩壊とともに、「本格的な大インフレ」が世界を襲う状況を想定しているが、この点に関して、今回の「OTC為替デリバティブの発表」は、「BISによる警告」のようにも感じられるのである。つまり、「11月に発生したFTXの破綻」が、私の想定どおりに、「金融ツインタワーに突入したジェット機」の役割を果たしたために、今後は、「デリバティブのバブルが完全崩壊する可能性」が予想される展開のことである。
より具体的には、「隠蔽され続けてきたデリバティブのバブル崩壊」が隠しきれなくなったために、今回、「BIS」が、徐々に、事実の発表を始めた可能性のことだが、この点に関して、最も注目すべき問題は、やはり、「約600兆ドルの8割を占めるOTCの金利デリバティブ」だと考えている。
つまり、私が想定する「時間や歴史のサイクル」からは、「1997年8月から26年後の2023年8月15日」に「インフレの進行により、逆ニクソンショックのような事件が発生する可能性」が予想されるが、この時に重要な役割を果たすのが、「デリバティブのバブル崩壊」が引き起こす「国債価格の暴落」により、「急激な大インフレが、一挙に、世界を襲い始める可能性」のようにも思われるのである。