本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.1.19

バブルに関するマスコミ報道

バブルに関するマスコミ報道

金融業に携わって、今年で47年目を迎えるが、この間に、いろいろなバブルを経験したことにより、「バブルの特徴と見分け方」についても、有意義、かつ、興味深い知識が得られたものと感じている。つまり、「バブルの発生と崩壊」に関しては、基本的に、「17世紀の初頭に発生したオランダのチューリップバブル」に象徴されるように、「人々の意識が凝り固まった結果として、大量の資金が、小さな市場や商品に集中したことが引き起こす出来事」だと考えている。

また、「バブル崩壊の見分け方」に関しては、今回の「米国のGAFA」などのように、「多くの人々が買い上げた結果として、上昇エネルギーが枯渇した時点で、大転換期を迎える状況」を想定しているが、より興味深い判定方法としては、「マスコミの報道」だと感じている。つまり、「1990年の日本株と土地のバブル」や「2000年のITバブル」、そして、今回の「世界的な債券バブル」などから理解できるように、「マスコミがバブルの発生を促進しながら、崩壊後に、徹底的にバブルを非難する傾向がある」という点である。

別の言葉では、「現在、どのようなバブルが存在し、かつ、今後、そのバブルが、いつ崩壊するのか?」を認識する場合に、「マスコミの報道」が役に立つものと思われるが、特に今後は、世界にそびえたっている「目に見えない金融ツインタワー」に注目している状況である。つまり、現在では、ようやく、「世界の債券バブル」に注目が当たった状況、すなわち、「世界の債券バブルが崩壊を始めた段階」とも思われるが、一方で、もう一つの「デリバティブのバブル」に関しては、依然として、「CBDC(中央銀行のデジタル通貨)の促進」などにより、「バブルの崩壊を防いでいる状況」とも感じられるのである。

より詳しく申し上げると、今までの流れから判断できることは、「目に見えない金融ツインタワーの崩壊が、すでに始まるとともに、今後、一挙に崩れ去る可能性」であり、このことは、「インフレの大津波が、一挙に世界を襲う状況」とも想定されるのである。別の言葉では、「金融界の白血病」とも言える「紙幣がコンピューターネットワークの中を流れることができずに、世界の金融市場が大混乱に陥る可能性」のことである。

そして、このような状況下では、「世界の資金が、一斉に、生活必需品に向かう展開」が想定されるとともに、「新たな通貨制度の模索」も始まるものと思われるが、この点に関する今後の注目ポイントは、「世界のマスコミが、これらの問題に関して、どのような報道を始めるのか?」だと考えている次第である。