本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.1.30

中国共産党のマルクス主義的中華思想

現在の中国共産党は「マルクス主義的中華思想」を抱いている状況とも思われるが、具体的には、「1917年から1991年まで、ソ連が信奉していた共産主義」と「中国古来の中華思想」が結びついた状況のことである。つまり、「資本主義の後には共産主義の時代が訪れる」という「誤った認識」と、「中華思想」、すなわち、「中国が世界の中心であり、その文化思想は神聖なものである」という理解が合わさった状況のことである。

より詳しく申し上げると、「大日本帝国の八紘一宇」と同様に、「中国が、一帯一路などの政策を実行することにより、世界の指導者になろうとする思惑」のことだが、この点については、「生産力や資本力を基にした軍事力」という「資本主義的なパワー」が推進力となっているために、思想としては、「根底からの矛盾」が存在する状況とも言えるようである。つまり、「資本主義や共産主義とは、いったい、何なのか?」という分析ができていない状況下で、「日本と同様の不動産を推進力とした経済成長」に酔いしれた結果として、「米国を排除して、次の覇権国家を目指した状況」とも想定されるのである。

しかし、実際の展開としては、「ロシアのウクライナ軍事侵攻」により「東西新冷戦が復活したよう状況」となっているために、今後の注目点は、「共産主義の完全崩壊ではないか?」とも感じている。つまり、「世紀の誤解」とでも呼ぶべき「史的唯物論」に関して、「どのような誤りがあったのか?」が世界的に認識されるとともに、「このような誤った思想が、二度と復活できなくなる可能性」のことである。

具体的には、「共同体(コミュニティー)が「共産主義(コミュニズム)」と誤解されたことにより、「資本主義の結末として発生するマネー大膨張の後に、どのような時代が訪れるのか?」が理解できていなかった状況のことである。別の言葉では、「西洋哲学が研究していた社会主義が、誤って、共産主義に移行した可能性」でもあるが、この点については、やはり、「共同体の規模とマネーの残高」、あるいは、「共同体の統合がもたらした規模の経済学」などを研究する必要性があるものと感じている。

つまり、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」以降、「世界は、どのような道筋を辿ったのか?」を研究することでもあるが、この点については、「1949年から74年目を迎える中国共産党」が参考になるものと考えており、実際には、「1917年から74年目の1991年に崩壊を迎えたソ連」と同様に、今後、「資金繰りの悪化により、国家が分裂する可能性」のことである。