本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.6.26

習近平思想の帰結

「ロシアに対する支援」や「台湾問題を巡る言動」などから、現在では、徐々に、「習近平の思惑」が明らかになっている状況とも思われるが、実際には、以前から私が想定していたとおりに、「共産主義的な中華思想の実行者」の可能性である。つまり、「資本主義の崩壊後に共産主義の時代が訪れる」というような「誤った史的唯物論」を頑なに信じるとともに、「中華思想」により「中国が、米国に続き、世界の覇権国になる」と考え、かつ、実行しようとしている可能性である。

より具体的には、「デリバティブの崩壊後に、西洋諸国が危機的な状態に陥る可能性」を考慮しながら、「20年ほど前から、ロシアなどと一緒に、金(ゴールド)の保有産高を増やしてきた状況」のことである。あるいは、「覇権国家の必要条件としては、資金力と軍事力である」というような考えのもとに、「軍事予算の増強に励んできた状況」のことでもあるが、この点については、典型的な「西洋文明の唯物論的思考法」とも言えるために、結局は、「時代の流れに逆らう行為」であり、その結果として、さまざまな障害に直面する事態も想定されるのである。

つまり、「ロシアのウクライナへの軍事侵攻」については、「中国と共謀していた可能性」も想定されるわけだが、結果としては、「世界全体を二分するとともに、世界の資金を、一挙に、雲散霧消させる可能性」が考えられるような状況を産み出したのである。別の言葉では、「覇権国家の条件」と思われてきた「資金力」、そして、「資金を必要とする軍事力」の両方の面において、大きな問題に突き当たり始めた状況のことである。

そして、結果としては、現在の「ロシア」のように、「内戦に突入する可能性」も想定されるが、この点については、「時代の流れに逆らう行為」を取った国々が、「風船の破裂メカニズム」のとおりに、「外部との大きな圧力差により、内部崩壊する事態」とも考えられるのである。つまり、「西洋文明」を象徴する「覇権国家」の概念を追究しようとしたために、「未曽有の規模で、国内に問題が発生している可能性」のことでもあるが、この点については、間もなく、「資金繰りのひっ迫」の形で表面化するものと感じている。

別の言葉では、「中国の三国志」のような状況が、再度、展開される可能性のことでもあるが、この点については、「中国における四千年の歴史」を見れば明らかなことであり、結局は、「仏教や儒教を基にした東洋文明」を軽視した「習近平思想」そのものが、大混乱の直接的な要因になるものと考えられるようである。