本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.7.24

生成AIの活用法

現在、「生成AIの可能性や問題点」などについては、世界的な議論が活発に行われている状況でもあるが、この点について、私自身は、「日本の将棋界」が参考になるものと感じている。つまり、以前、「プロ棋士とコンピューターとの対決」が実施されていた頃には、「プロの騎士がコンピューターに勝つことができず、将棋界そのものが消滅するのではないか?」と考えていたが、実際の状況としては、反対に、「藤井七冠の登場により、将棋界の進歩に繋がった」という展開となったことも理解できるのである。

具体的には、「将棋における以前の定石」が通用しなくなるとともに、「最善手を求める動き」が活発になったわけだが、このことは、「今後の人間社会にも当てはまるのではないか?」とも想定されるのである。つまり、「現在の経済や社会が、どのような経過を経て成立したのか?」を考える「四次元の経済学や社会科学」から言えることは、「マネーの膨張により、経済全体に遠心力が働いた可能性」、すなわち、「共同体の規模が大きくなった結果として、さまざまな新しい職業が誕生した状況」とも理解できるのである。

より詳しく申し上げると、「共同体の規模拡大に伴い、一次産業から二次産業、そして、三次産業から金融業の発展」へとつながったことが見て取れるが、現時点で必要なことは、「生成AIができる仕事」と「生成AIが作れる商品」とを分けることだと感じている。つまり、「過去100年余りの経済発展」を考えた場合に、「さまざまな商品が産み出され、また、いろいろな職業が誕生した状況」でもあったが、今後の注目点としては、「どのような職業、そして、商品が生き残るのか?」を考えることのようにも思われるのである。

具体的には、「戦争」や「他国への侵略」などへの従事は、「地球温暖化に晒されている人類」にとって「全く不要の職業」のようにも感じられるとともに、反対に、「既存の技術を利用し、また、世界全体の力を合わせながら、人類が生き延びる方法論を考えること」が重要なポイントとも思われるのである。そして、この時に、大きな役割を果たすのが、「量子理論」や「分子生物学」、そして、現在の「生成AI」のようにも思われるのである。

つまり、現在の「さまざまな混乱」についても、結局は、「人類の絶えざる進化と発展に必要な出来事である可能性」も指摘できるために、短絡的な結論を導き出すのではなく、より長期的な観点から考慮する必要性があるものと感じているが、この時に、大きな力を発揮するのが、「人類の言語や行動などが、どのようにして発展してきたのか?」を考える「高次元の社会科学」とも想定されるのである。