本間宗究(本間裕)のコラム
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2023.8.21
バブルと神話
人々の意識と行動が偏り、価値観が統一化された時に、「バブル」が発生し、また、「神話」が産み出されるものと考えているが、具体的には、「大東亜戦争における『軍拡バブル』であり、また、この時に発生した『神の国』の神話」などのことである。つまり、「明治維新」以降、「富国強兵」のスローガンのもとに、日清戦争や日露戦争、そして、第一次世界大戦に勝利した日本では、いつの間にか、「日本は神の国であり、決して、戦争に負けることはない」というような偏った考えに支配されていたことも見て取れるのである。
また、その後の「戦後の経済成長」においては、「日本の土地と株式のバブル」が発生し、この時には、「土地や株式の価格は永遠に上昇する」、あるいは、「日本の銀行が倒産することはあり得ない」というような「神話」が誕生したことも理解できるのである。しかし、実際には、「バブルの崩壊とともに、神話も崩れ去った」という状況でもあったが、この事実から気付かされることは、「現在のバブルと神話」とも言えるようである。
具体的には、「デリバティブとデジタル通貨のバブル」でもあるが、この点については、「バブルの特徴」とも言える「バブルの崩壊後に、バブルが存在していたことに気付かされる状況」も指摘できるようである。つまり、「ハイパーインフレによるデジタル通貨の完全消滅」という事態が発生した時に、初めて、「人類史上、未曽有の規模でのデジタル通貨のバブル」が認識される可能性のことである。
そして、今回の注目点は、「デジタル通貨のバブルは、どのような神話を産み出したのか?」ということでもあるが、実際には、小さな神話が「逆イールドがリセッションを産み出す可能性」であり、また、大きな神話が「DX革命」のようにも感じている。つまり、「デジタル革命により、世界が飛躍的に進化する」という認識のことだが、実際には、「0と1との間に存在する情報を切り捨てることにより、情報処理のスピードや効率性を早めた状況」だったようにも思われるのである。
別の言葉では、100年ほど前から始まった「量子力学」や、その後の「分子生物学」などで取り上げられている「アナログ的な0と1との間に存在する情報」が抜け落ちている状態のことである。つまり、「西洋的な唯物論的認識」のもとでは、「富の象徴であるデジタル通貨」が尊重されたものの、一方で、今後の「東洋的な唯心論的認識」のもとでは、反対に、「神の象徴とも言える、11次元にまで進化した高次元の世界」への関心が高まる展開も想定されるものと思われるのである。