本間宗究(本間裕)のコラム
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2023.10.18
40年にも及んだ先進各国の金利低下
現在の「海外の金融専門家の意見」については、大きく二分される状況とも思われるが、具体的には、「60歳以上の人々は、多くが、金融システムの崩壊とハイパーインフレの発生を危惧している状況」でありながら、「60歳以下の人々は、景気の悪化がもたらす将来的な金利低下とハイテク株の復活を期待している状況」のことである。そして、この理由としては、「40年にも及んだ先進各国の金利低下」が指摘できるものと考えているが、実際には、「金利上昇時に、どれほどの反動が発生するのか?」に関する「意見の相違」とも言えるようである。
より詳しく申し上げると、「1971年のニクソンショックと、その後のスタグフレーションと呼ばれた状況」を理解するかどうかで、今後の相場展望に、大きな違いが発生している状況のようにも感じられるのである。別の言葉では、「実体経済」だけを見るのか、それとも、「実体経済とマネーとの関係性」を見るのかで、「天と地との開き」が発生している状況のようにも思われるが、この点については、間もなく、答えが出るものと感じている。
つまり、「1971年のニクソンショック」から26年を経過した「1997年8月」以降の状況を振り返りながら、「今後、どのような展開が予想されるのか?」を考えることである。実際には、「8月13日に発生した世界的な信用収縮が、その後、世界全体を襲い始めた状況」、すなわち、「11月に発生した北拓銀行や山一証券の破綻」であり、また、「翌年のLTCM の破綻」などの原因を再考することであり、また、「今回のバブルの規模が約30倍だったために、同様の反動が世界を襲う可能性」などを再認識することである。
より具体的には、「目に見えない金融ツインタワー」である「約600兆ドルのOTCデリバティブ」と「約330兆ドルの世界債務」のことでもあるが、現在の状況としては、「世界的な国債価格の下落(金利は上昇)により、世界債務残高の金融タワーが、音を立てて崩れ始めた段階」とも考えられるのである。そして、今後は、もう一つの金融タワーである「OTCデリバティブ」が、同様に崩壊するものと思われるが、この点に関して、気になるのが、「26年前と同様に、11月に大事件が発生する可能性」である。
つまり、「G-SIBs(グローバルな金融システム上重要な銀行)が破綻する可能性」のことでもあるが、この理由として考えられる点は、やはり、今回の「世界的な金融混乱」の根本原因ともいえる「大量に創造されたデジタル通貨の存在」が、結局は、「世界的なハイパーインフレ」でしか解消できない状況が指摘できるようである。