本間宗究(本間裕)のコラム
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2023.11.8
史上最大規模のマネー逆襲
現在、世界の金融市場で発生している現象は、「史上最大規模のマネー逆襲」であり、この点に関して役立っているのが、私自身が西暦2000年に上梓した「マネーの逆襲」という著書だと感じている。つまり、私自身は、1990年に破裂した「日本のバブル」を深く研究したことにより、「マネーの逆襲」、すなわち、「人類が作り出したマネーが、大自然が創り出した一次産品の価格高騰を引き起こす展開」を想定していたからである。
しかし、実際には、私の予想に反して、「日本を売れば、日本以外の南極も含めた全世界の土地が買える」といわれた「約2500兆円規模の日本の土地バブル」をはるかに超える「世界的なデリバティブのバブル」が発生したのである。具体的には、日本の土地バブルと比較して、約30倍規模のバブル発生により、日本で発生した不良債権を、完全に吸収しただけではなく、多くの人々を、「DX革命」などへ導くことに成功したのである。
別の言葉では、「西暦1200年から2000年の西洋の時代」を象徴する「マネーの大膨張」が発生したことが理解できるが、この時に必要不可欠なことは、「1913年に設立された米国の中央銀行であるFRB」や「1971年から始まった『信用本位制』と呼ぶべき通貨制度」などの理解だと感じている。つまり、現在では、「経済学」のみならず「政府が発表する統計数字」に関しても、世界経済の実態を、正確に表していないだけではなく、さまざまな「政府による統制」に利用されている可能性も考えられるからである。
より具体的には、「お金とは、一体、何なのか?」という「お金の謎」を考えることであり、このことは、「23年前の2000年当時に私が目指したもの」でもあったが、実際の状況としては、「奥の細道」を「中尊寺の金色堂」へ向かって歩き始めた状況だったようにも感じている。つまり、ほとんどの人々は、「東海道を京都の金閣寺に向かって歩き始めた状況」、すなわち、「単なる数字であるデジタル通貨の獲得競争」に邁進した状況でありながら、私自身は、大勢に逆行して「貴金属の購入や推奨」に全力を注いでいたからである。
ただし、現在は、いろいろな人々が、「京都の金閣寺から日本橋に向かい始めた状況」、すなわち、「マネーの逆襲に悩まされ、お金の謎を考え始めた状況」のようにも感じられるが、この時の問題点は、「金融システム」や「通貨と商品との関係性」などの理解が難しい事実とも言えるようである。つまり、ほとんどの人々は、今後、「訳が分からないうちに、インフレの大津波に見舞われる可能性」が高いものと思われるために、現時点で必要な行為は、「できるだけ多くの貴金属を保有すること」だと考えている。