本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.12.3

2023年を振り返って

2023年を振り返ると、「今まで隠蔽され続けてきた、いろいろな不都合な真実」が明らかになるとともに、「本格的な金融大混乱が、世界的に始まった状況」だったものと考えている。具体的には、「世界的な金利上昇」により、「銀行が保有する債券や不動産などの資産価格が下落し、欧米において、金融機関の破綻が始まった展開」のことである。別の言葉では、以前から指摘してきた「約600兆ドルのOTCデリバティブ」と「約330兆ドルの世界債務残高」という「目に見えない金融ツインタワー」に関して、「債券価格の暴落が始まるとともに、金融ツインタワーの一角が崩壊を始めた状況」のことである。

より詳しく申し上げると、「2022年11月9日」に発生した「FTXの破綻」が、「2001年の9・11事件」における「ツインタワーに突入した一機目のジェット機」の役割を持ち、また、「2023年に破綻した数行の欧米銀行」が「二機目のジェット機」の役割を担っていた可能性である。そして、「26年前の1997年」と同様に、「8月の半ばから、本格的な金融崩壊が始まった展開」を想定しているが、実際には、「11月から、世界的な金融機関の破綻が始まるとともに、約1年間という時間をかけて、世界の金融システムを崩壊させる可能性」のことである。

そのために、現時点で必要なことは、「世界的な金融システムの実態」を正確に把握するとともに、「これから、どのような展開が想定されるのか?」を考えることとも思われるが、実際には、「世界的な流動性の枯渇」により、「多くの破綻が、企業や銀行などで発生する可能性」のことである。つまり、「デリバティブの大膨張が創り出した大量のデジタル通貨」が、今後、急速に消滅することにより、「世界各国で資金的なひっ迫状態が発生する可能性」を考えている。

そして、このような状況下で想定される「政策の変化」としては、古典的な「紙幣の大増刷」とも思われるが、今回は、その前の段階として、世界的な「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行」も考えられるようである。つまり、「紙幣」については、「コンピューターネットワークの中を流れることができない」という性質があるために、「金融取引の決済」において、きわめて不都合な性質が存在するのである。

しかし、その後の問題は、「信用を失った政府が発行するCBDC」に関して、「貨幣の流通速度が急上昇する可能性」、すなわち、「80億人の人々が、受け取ったCBDCを、すぐに、実物資産へ転換し始める可能性」も想定されるようである。