本間宗究(本間裕)のコラム
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2023.12.4
干支から見る2024年
「2024年」は「甲辰(きのえ たつ)」という暦となるが、「甲」に関しては、「十干」の始まりであるとともに、「貝割れ」、すなわち、「その後の十年間に関して、新たな芽が出る状態」を意味している。また、「辰」については、「震」や「振」に繋がることにより、「金融面での激震」や「人々が事件などに振り回される展開」を表しているが、実際には、「デリバティブの破綻が引き起こす世界的な金融大混乱」により、「世界中の人々が、大きな変動に見舞われ、大きく振り回されるような状態」も想定されるようである。
また、このような大混乱が発生する理由としては、「大膨張した世界的なマネーの存在」が挙げられるが、この点を理解するためには、「シュペングラーの西洋の没落」や「村山節の文明法則史学」などを理解する必要性があるものと考えている。具体的には、「共同体の規模拡大によりマネーの残高が増えてきた歴史」のことでもあるが、現在は、「1600年前の西ローマ帝国崩壊時と似たような状況」とも考えられるのである。
つまり、「マネーの大膨張が限界点に達するとともに、財政赤字とインフレに悩まされ始めた状態」のことでもあるが、その後は、「ローマ法の無力化」が示すとおりに、「476年の西ローマ帝国崩壊」に向かい始めた状況だったことも見て取れるのである。別の言葉では、過去200年余りの期間、「資本主義」という言葉が示すとおりに、「資本」という「お金」が、「主義」という「最も大切なものである」と理解された結果として、「お金の残高が、実体経済の約10倍規模にまで大膨張した状況」となったのである。
そして、このような状況下で発生する現象は、シュペングラーが、100年ほど前に指摘したとおりに、「大都市における知性と貨幣の発生」であり、実際には、「大膨張したマネーの奪い合いのために、さまざまな手段が行使される状況」のことである。つまり、「人知」を象徴する「国家の法律」が、「天地自然の理」を表す「天や神の法」よりも重要視される事態となった結果として、社会全体が崩壊に向かう状況のことである。
別の言葉では、400年ほど前から始まった「自然科学」における次元上昇に対して、現在、「社会科学における次元の上昇」が不足している事態のことである。具体的には、それまでの「天動説」が「地動説」に転換するとともに、「ケプラーからニュートンへの移行」などにより産み出された「技術的な進化」が、反対に、世界全体を崩壊させる可能性でもあるが、今後は、「唯心論を基本的な価値観とした東洋文明」の発展により、「自然科学に見合うだけの精神的な成長が、人類全体に及ぶ変化」も想定されるようである。