本間宗究(本間裕)のコラム
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2024.1.8
2024年のブラックスワン
投資において必要不可欠な態度は、「どのような好材料や悪材料が存在するのか?」を理解し、かつ、「現時点で、それらの材料が、どれほど株価に織り込まれているのか?」を判断することだと考えている。具体的には、「1980年代初頭から始まった世界的な金利低下」に関して、現時点では、「債券の価格」に織り込まれ始めるとともに、「債券価格について、割高か割安かで、意見が分かれ始めている状況」のことである。
つまり、2024年の問題点としては、「金融界のブラックスワン」、すなわち、「悪材料が存在しながらも、市場参加者が気づかず、マーケットにおいて予想ができないために、起きた時の衝撃が大きい事象」が指摘できるものと考えているが、具体的には、以前から指摘してきた「目に見えない金融ツインタワーの一角」である「約600兆ドルのOTCデリバティブのバブル」の崩壊が始まる可能性である。
より詳しく申し上げると、「1997年から1998年にかけての金融大混乱」については、その後の「デリバティブとデジタル通貨の大膨張」により、「問題の先送り」と「時間稼ぎ」が実施されてきた状況だったことも理解できるのである。別の言葉では、現在、「史上最大のポンジスキーム」と揶揄されるように、「世界的な金融システムそのものが、新たな借金をすることにより、国家の債務問題を大きくしただけの状況」のことである。
しかし、現在では、「世界的な国債や不動産の価格急落」により、「不都合な真実の隠蔽」が難しくなっており、間もなく、「世界中の人々が、過去20年余りの期間に、どのようなことが行われていたのか?」を、はっきりと認識せざるを得なくなるものと思われるのである。つまり、「デジタル革命の正体」ともいえる「デジタル通貨の大膨張」のことだが、この時の注目点は、「0と1の間に存在するもの」である「人間の感情」などが無視された事実とも考えられるのである。
別の言葉では、「デジタル通貨」が「悪魔のひき臼」となり、「人々の安心」や「世界的な政治の安定」などを奪った可能性のことでもあるが、今後の注目点としては、やはり、「デリバティブのバブル崩壊がもたらすデジタル通貨の消滅」を想定している。つまり、「世界的な信用消滅」により、世界各国の通貨が「神から紙への変化」をもたらす可能性」のことでもあるが、実際には、「神様のような存在」である「現在のデジタル通貨」そのものが、今後、「コンピューターネットワークの中を流れることができない紙幣」に取って代わられる展開のことである。