本間宗究(本間裕)のコラム
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2024.2.17
誰もが驚く価格
米国では、「マイクロソフト一社の時価総額が、フランス一国のGDPを超えた」と報道されているが、このことは、まさに、かつての「日本の土地バブル」を彷彿とさせるような出来事だったものと感じている。つまり、今から35年前の日本では、「日本を売れば、日本を除いた、全世界の土地が買える」といわれるほどの状況だったが、実際には、この時が「バブルのピーク」であり、その後は、きわめて悲惨な状況に陥ったことも有名な逸話として、世界中の人々が認識しているのである。
別の言葉では、「万人が呆れ果てたる値が出れば、それが高下の境なりけり」という相場の格言のとおりに、「誰もが驚くような価格」が出現したときが、後から考えると、「大天井」や「大底」だったというものであり、私自身も、「過去48年間に、数多くの経験をしてきた」という状況だったことが思い出されるのである。具体的には、「1980年の銀(シルバー)価格」であり、この時には、「ハント兄弟が、全世界の銀を買い占めようとした」とも報道されたのである。
あるいは、「38915.87円」を付けた「1989年の日本株」の時には、「全ての銘柄が、1000円以上にまで上昇するのではないか?」とも言われるほどの熱狂を見せたが、「最後の最後で、新日鉄が1000円に届かなかった」というような記憶も存在するのである。そして、反対に、「2009年」には「日経平均が7000円を割り込んだ」という状況となり、この時にも、上記の格言が思い出される状況だったが、実際には、多くの金融専門家が、「日本株が上がるはずがない」と決めつけるほど、きわめて弱気の状況だったことも記憶に鮮明に残っているのである。
また、数年前の「記録的な日本株の低PBRの状態」に関しても、実際には、「多くの投資家が日本株を売り、米国株に投資した状況」の結果として生まれた現象だったものの、現在では、「国策で、PBRの上昇が目論まれている」というように、きわめて異常な事態が発生していることも見て取れるのである。つまり、「割安なものには、その後、資金が流入し、自然な価格上昇に繋がる」、あるいは、「その反対の動き」についても、「当たり前の価格メカニズム」が働いている証拠とも理解できるのである。
そのために、今回の、「米国のマグニフィセント7」に関しては、反動が気にかかる状況でもあるが、実際には、「何でもバブルの最終章」である「実物資産の価格が、今後、誰もが驚くような値にまで上昇する可能性」のことである。