本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.2.24

世界的な不動産バブルの崩壊

現在、世界的な「不動産バブルの崩壊」に注目が集まり始めているが、この理由としては、「金融ピラミッドにおけるメルトダウン」、すなわち、「デリバティブのバブル崩壊後、デジタル通貨が国債のバブルを発生、崩壊させた後に、不動産バブルの発生、崩壊を引き起こしている状況」が挙げられるものと考えている。つまり、「マネーの大膨張」については、「金から紙幣、そして、デジタル通貨」というように、「急激な残高増加が、逆三角形のピラミッドを形成するとともに、資産と負債の両立てで膨張した状況」だったことも見て取れるのである。

具体的には、「紙幣の大膨張」は「銀行預金などの急増」につながり、また、「デジタル通貨の大膨張」が「株式や土地、あるいは、国債やデリバティブの大膨張」をもたらした展開のことである。そして、「2008年前後に発生したGFC(世界的な金融大混乱)」以降の世界では、「金融のメルトダウン」、すなわち、「デジタル通貨の縮小とともに、裏側に存在した資産のバブル発生と崩壊」が発生したものと考えられるのである。

具体的には、最初に、「世界的な国債バブルの発生と崩壊」であり、この点については、「米国の30年国債」に象徴されるように、「2020年3月」がバブルのピークだったものと考えている。そして、その後に発生した「不動産バブルのピーク」に関しては、「2023年の半ば」だったものと思われるが、この時の注目点としては、「バブルについては、崩壊後に、その存在が知られる傾向がある」という事実が挙げられるものと感じている。

つまり、「バブルの発生中は、熱狂のあまりに、バブルが認識されにくい状況」となっており、実際には、「不動産バブル崩壊後に発生している株式のバブル」が指摘できる可能性である。具体的には、米国の「マグニフィセント7」と呼ばれる銘柄群のことだが、現在では、「7銘柄から5銘柄に減少中の状態」というように、「徐々に、資金の集中化が発生している状態」、すなわち、「バブルの最終局面」とも理解され始めているのである。

そして、次の予想される「金融メルトダウンがもたらすバブルの発生と崩壊」については、「デジタル通貨から紙幣への移行」を意味する「中央銀行の紙幣大増刷」が考えられるが、この時には、「なんでもバブルの最終章」、すなわち、「実物資産の価格急騰」が始まるものと考えている。つまり、現在では、「金融の逆ピラミッド」において、大量の資金が、徐々に、小さな市場へ向かっており、その結果として、これから予想される展開は、「劇場の火事」と呼ばれる「ボトルネック・インフレ」の世界的な発生のようにも感じている。