本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.2.26

日本の金利

現在、「日本の金利」に対する予想意見が数多く見受けられるが、この問題に関する注意点としては、「金利を決めるのが、日銀などの中央銀行ではなく、世界的な市場動向である」という事実が指摘できるものと考えている。つまり、「中央銀行」よりも「金融市場」の方が、はるかに規模が大きいために、「最終的な市場価格を決定するのは、当然のことながら、世界の金融市場である」という点である。

別の言葉では、「2000年前後から始まったデリバティブのバブル」と「その過程で大量に創造されたデジタル通貨」の存在により、「2000年からの約20年」という期間においては、「最後の段階でマイナス金利までもが発生した」というように、「人類史上において、きわめて異常な金融状況」だったことも理解できるのである。つまり、「世界の金融市場で、先進各国の中央銀行とメガバンクが結託して、さまざまな価格がコントロールされた状況」のことだが、現在では、「デジタル通貨の枯渇」などにより、今までの反動が発生していることも理解できるのである。

具体的には、「インフレの発生」であり、また、「世界的な金融システムの崩壊懸念」のことでもあるが、実際のところ、「日本」では、「国家体力の減少により、大幅な円安に見舞われている状況」であることも見て取れるのである。つまり、他国並みの「3から5%の金利」を容認すると、「税収」のほとんどが「金利負担」に使われてしまうために、「円安を容認しながら、マイナス金利の継続を目論んでいる状況」とも考えられるのである。

その結果として、これから予想される展開としては、「1991年のソ連」などと同様に、「国債の買い手が消滅する事態」であり、実際には、「長期国債のみならず、短期国債の買い手までもが消滅し、慌てて、紙幣の大増刷を実施し始める状況」のようにも感じている。つまり、「マネーの歴史」から言えることは、「民間部門で発生した不良債権を、最後の段階で、中央銀行が引き受ける事態」であり、実際には、「財政ファイナンス」により、「全ての不良債権が、紙幣に交換される展開」のことである。

そして、このような状況に関しては、現在、世界的な理解と認識が進展している段階とも思われるために、今後は、「早い者勝ちで、実物資産の獲得競争が始まる展開」、すなわち、「何でもバブルの最終章」が始まるものと思われるが、現時点で注目すべき点は、やはり、「世界の中央銀行が、すでに大量の金(ゴールド)を買い付けるとともに、現在、銀(シルバー)にまで手を出し始めている状況」とも言えるようである。