本間宗究(本間裕)のコラム
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2024.4.23
中国の共産主義
現在の中国は、人類史上においても、きわめて異常なスピードでの「経済的な崩壊」に見舞われている状況とも思われるが、この原因としては、やはり、「共産主義」そのものが中国の伝統にそぐわない点が挙げられるようである。あるいは、「鄧小平の改革」が、未曽有の経済的な成長をもたらしたものの、結果としては、その後の「習近平による共産主義的な軍事独裁国家の形成」に貢献した可能性も想定されるのである。
別の言葉では、「共産主義」という思想そのものが、「ロシアや中国、そして、北朝鮮」のような「軍事独裁国家」を作り出したものと思われるが、この原因としては、「人民の解放」ではなく、「人民の奴隷化」が、「軍事的脅威」によって達成された状況のようにも思われるのである。つまり、「西洋諸国の経済的発展に追いつくために、軍事力を背景とした国家主導の経済成長が模索された可能性」のことでもあるが、現時点では、「中国そのものが、1991年のソ連のような状態に陥る可能性」も考えられるようである。
具体的には、金融面での混乱が加速し、1600年前と同様に、「中国が、『五胡十六国』のような分裂状態に陥る可能性」であり、この原因としては、やはり、「東洋思想」に特有の「易姓革命」などの認識が指摘できるものと感じている。つまり、東洋思想では、「天や神の方が、皇帝などの人間よりも大きな力を持っている」という理解がなされており、その結果として、「天変地異」や「経済的な困窮」が発生した時には、「天や神が、為政者の交代を望んでいる状況である」というように認識されているのである。
そのために、これから想定される展開は、「中国の内紛や分裂」とも思われるが、今回の注目点は、やはり、「文明法則史学」が教える「富の時代の終焉」であり、実際には、「世界全体で資本主義的な時代が終焉を迎える可能性」とも言えるのである。つまり、「1971年から始まった信用本位制と呼ぶべき通貨制度の崩壊」により、「世界的なハイパーインフレ」が発生し、その結果として、「実物資産価格が急騰する可能性」である。
より詳しく申し上げると、「デジタル通貨」が機能不全状態に陥ることにより、世界的な「信用消滅」と「マネー残高の激減」が発生する可能性のことであり、現時点では、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊」のみが、参考になる事例のようにも思われるのである。つまり、これから想定される「世界的な金融大混乱」については、決して、「一時的な現象」ではなく、「世界全体のパラダイムシフト」がもたらす「根本的な大変革の時代」が始まった状況のようにも感じられるのである。