本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.4.17

ロシアとイスラエルの未来

「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻」から2年以上、そして、「イスラエルによるガザへの軍事侵攻」から半年以上の時間が経過し、現在では、「第五次中東戦争」や「第三次世界大戦」への拡大が懸念される状況となっている。しかし、私自身は、今後、「戦費を、誰が、どのようにして賄うのか?」に人々の焦点が当たり始める展開、すなわち、「信用消滅がもたらす、世界的な流動性の枯渇」が大きな影響を与える可能性を想定している。

つまり、現在は、「何でもバブルの最終章」が始まった結果として、さまざまな商品価格のみならず、人件費までもが急騰する展開となっており、そのために、「世界全体で、急激な資金や流動性の枯渇が発生している状況」のようにも感じられるのである。別の言葉では、「1980年代初頭から40年にも及んだ世界的な金利低下やデジタル通貨の大膨張」が終了し、反対に、「金利やインフレ率の急騰」が始まった展開のことである。

より詳しく申し上げると、今後は、「金の切れ目が縁の切れ目」や「無い袖は振れぬ」などの諺のとおりに、「今までの常識が覆されるような現象が、数多くみられる展開」、すなわち、「過去の関係性が断絶されるとともに、社会的な分裂が発生する可能性」を想定している次第である。具体的には、「マネーの膨張がもたらした共同体の規模拡大が、一挙に反転する可能性」のことであり、実際には、「戦争の継続が不可能になるとともに、戦後の復興が模索され始める状況」のことである。

別の言葉では、「国内における不満の高まり」や「財政問題」などにより、「ロシアの国家そのものが、1991年のソ連のように、再分裂する可能性」であり、また、「イスラエルが、1948年以前のように、国家を喪失する可能性」のことである。つまり、「四面楚歌」という言葉のとおりに、「ロシアやイスラエルが、隣国を侵略したことにより、今後、世界的な孤立状態に陥る可能性」も想定されるのである。

そして、このことが、「1600年前の西ローマ帝国崩壊時と似たような現象」とも思われるが、実際には、100年ほど前に「シュペングラー」が指摘したとおりに、「隷従化した国民が皇帝主義を完成させたものの、行き過ぎた独裁政治が、反対に、自分自身の生活に問題を発生し始めた状況」のことである。つまり、「根のない切り花」の状態だった「世界経済」が、現在では、「花が枯れ、表面上の華やかさまでをも失い始めた状況」に変化し始めたために、今後は、急速に、「世界的な金融混乱が加速し始める可能性」、すなわち、「未曽有の大インフレに見舞われる可能性」を想定している状況である。