本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2024.6.20

生成AIの限界点

6月18日に時価総額が世界首位に躍り出た「米半導体エヌビディア」については、「観賞用銘柄」として、株価の推移を見守っているが、現時点では、「バブル崩壊後の株価暴落」のみならず、「生成AIの限界点」までもが気にかかる状況のようにも感じている。つまり、「約3兆3350億ドル(約526兆円)」にまで急増した「エヌビディアの時価総額」に関しては、上昇エネルギーが消滅した場合に、過去のバブル銘柄と同様の推移をたどる可能性が想定されるからである。

また、「生成AIの限界点」としては、「どれほど精密な描写をしようとも、本物のリンゴなどが造れない事実」や「どれほど巧妙な文章を作成しようとも、翌日の株式の終値が予測できない状況」などが指摘できるものと感じている。つまり、「絵に描いた餅」や「巧妙な噓」などは作成可能なものの、「真理」への到達や、「実物」の作成に関しては、ほとんど役立たない状況のようにも思われるのである。

別の言葉では、「生成AIの役割」として、「社会科学の次元上昇」が指摘できるものと感じているが、具体的には、「11次元」にまで上昇した「神が創った世界」を解明する「自然科学」を参考にしながら、「生成AI」を利用して、「人間の作った文明」などを解明する「社会科学」の次元上昇を図ることである。つまり、現時点では、「3次元にとどまっている社会科学が、戦争や金融混乱などを産み出している状況」であるものの、今後は、「社会科学の次元上昇により、より良い社会が産み出される可能性」も想定されるのである。

そして、この時の方法論としては、「ヘーゲルの弁証法」や「東洋学の悟り」などが利用できるものと思われるが、実際には、「心眼」と「肉眼」との「差を取ること(差取り)」である。つまり、「神の造った世界で肉体を持っている人間」には、「肉眼」で「目に見える世界」を信用せざるを得ない傾向があるものの、「心眼」で「目に見えない世界」が見えた場合には、「人間社会が、神の理想とする世界に近づく可能性」も考えられるのである。

より具体的には、「相場の世界」で経験したように、「予測と現実との違いを認識しながら、歴史の全体像を考える方法論」のことであり、実際には、「なぜ、予測が現実と違ったのか?」について思いを至らせながら、「ライプニッツの予定調和説」を考えることである。別の言葉では、四書五経の「大学」で述べられている「正心、誠意、格物」という方法論により、「致知」という「神の智慧に辿り着くこと」であり、この時に、「生成AI」は、「三次元に存在する、数多くの誤った理論の排除」に役立つものと考えている。