本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.6.19

政治の混迷と国民の覚醒

現在、西洋諸国を中心にして、「政治の混迷」と「国民の覚醒」が発生している状況とも思われるが、この理由としては、「貧富格差の拡大」や「国家債務問題の悪化」などが挙げられるものと感じている。別の言葉では、「国民の生活苦に対する不満」や「国民が払い込んだ税金が、どのような使われ方をしているのかへの疑問」などにより、多くの人々が、「国家統治の実態」に対して、注意を払い始めた状況とも想定されるのである。

より詳しく申し上げると、「四種類の税金」に対して、人々の認識が深まってきた状況とも思われるが、実際には、「目に見える現在の税金」と「目に見える将来の税金」、そして、「目に見えず、国民が気付かない税金」と「目に見えず、国民が気付く税金」のことである。つまり、「消費税や所得税」などは「目に見える現在の税金」であり、また、「国債の発行」は「目に見える将来の税金」でもあるが、問題は、「中央銀行が国民の預金を利用しながら、国債を買い付ける手法」が、「リフレーション政策」という「目に見えず、国民が気付かないインフレ税」を意味していることである。

また、最後の「目に見えず、国民が気付く税金」というのは、「債務の貨幣化」と呼ばれる「財政ファイナンス」のことでもあるが、この時には、いわゆる「ハイパーインフレ」の状態となり、実際には、「多くの人々が、受け取った紙幣を、すぐに、市場で実物資産へ交換する動き」が発生することも想定されるのである。そして、現在は、「リフレーション政策」から「ハイパーインフレ」への移行期とも想定されるために、結果として、多くの人々が、不満を抱きながら、生活苦を感じ始めている状態とも思われるのである。

そのために、これから想定される展開は、「何らかの大事件をキッカケにして、中央銀行によるCBDC(中央銀行デジタル通貨)の大量発行か、あるいは、紙幣の大増刷が実施される状況」のようにも感じられるのである。つまり、「政府や通貨に対する信頼感」が、完全に喪失した結果として、「レーニンやケインズが指摘した、100万人に一人も気付かないうちに進行したハイパーインフレの発生」のことである。

しかも、今回は、人類史上、初めて、「世界的な規模でのハイパーインフレの発生」が想定される状況でもあるが、この点を理解するためには、「1971年のニクソンショック」以降、「信用本位制」と呼ぶべき通貨制度に変更された結果として、「どのような通貨が作り出され、また、どのような金融商品が、大量に産み出されたのか?」を、具体的な数字で把握する必要性があるものと考えている。