本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.9.10

公約と膏薬

「投資の要点」の一つとしては、「理屈と膏薬はどこにでも付く」という言葉を思い出しながら、「屁理屈に惑わされず、真理を追究すること」が挙げられるものと考えているが、一方で、今回の「米国大統領選挙」や「自民党の総裁選挙」などから、私自身が思いついた言葉は、「公約は、化けの皮と同様に、すぐ剥がれるのではないか?」ということだった。別の言葉では、同じ発音である「膏薬と公約の違い」について考えさせられるとともに、「政治家は、国民に受けの良い言葉を羅列するだけで、決して、根本的な問題を解決しようとしないのではないか?」という思いを抱かされたのである。

つまり、現在は、「民主主義から衆愚政治への転換点」を経験している状況であり、また、その結果として、「日米の政治家が、国家の財政問題に関して、ほとんどコメントしなくなった状況」のようにも思われたが、この理由としては、やはり、「歴史のダイナミズム」が指摘できるものと思われるのである。具体的には、「1600年前の西ローマ帝国崩壊時」と同様に、「誰が政治家になろうとも、財政破綻の流れを止めることができない状態」のことであり、また、最後の段階で、「1945年の日本」などと同様に、「紙幣の増刷により、国家の財政赤字を解消する動き」が目論まれている可能性のことである。

より詳しく申し上げると、「日本」では、「自民党」も「立憲民主党」も「ばらまき政治のオンパレード」というような状況であり、「財源については、ほとんどコメントされないような状況」となっているのである。別の言葉では、「海外とは違い、日本人だけが、いまだに財政危機を憂慮していない状況」とも思われるが、実際には、「海外の投資家が、日銀の動向と日本の財政危機を注視している状態」とも言えるのである。

具体的には、「誰が、今後、日本国債を買うのか?」ということだが、実情としては、「日銀に資金的な余裕が無くなっている状況」を理解しながら、「日銀が、今までと同様に、新たな金融政策を始める可能性」を睨んでいる状況のことである。つまり、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行」、あるいは、「大量の紙幣増刷」が、日銀発で実施される可能性であり、そのキッカケとなりそうな事件としては、やはり、「OTCデリバティブの完全崩壊」や「1991年のソ連のような国債価格の暴落」が想定されているのである。

そのために、今後の注目点は、「政治家の公約」に関して、「いつ、化けの皮が剥がれるのか?」を見守ることであり、タイミングとしては、「早ければ、今回の選挙運動中にも、何らかの事件が発生する可能性」も想定されるようである。