本間宗究(本間裕)のコラム
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2024.9.18
東西文明の大転換
私が、1977年に金融業に従事してから、すでに半世紀近くの日々が経過したが、この間を振り返ると、まさに、「金融界の激動期」であり、「ほとんど全ての種類の金融混乱を経験できたのではないか?」とも感じている。別の言葉では、「日の下に新しきものはなし」という言葉を信じ、「過去の歴史における同様の激動期を探し続けた状況」でもあったが、現時点での感想としては、やはり、「村山節(みさお)の文明法則史学」が教えるとおりに、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊時」と同様の展開だったものと感じている。
しかも、現在は、「西暦376年から476年までの約100年間」、すなわち、「文明の大転換に伴う民族の大移動」に関して、「ほぼ半分の時期が経過した状況ではないか?」とも思われるのである。そのために、今後の注意点としては、「後半部分である西暦424年から476年に、どのような変化が発生したのか?」を考えながら、「1600年後の現時点における出来事」と比較する必要性が求められているようにも思われるのである。
別の言葉では、「歴史のサイクルや全体像」を認識しながら、「未来予測の可能性」を判断することでもあるが、実際には、「共同体の規模拡大に伴い大膨張した世界のマネーが、今後、どのようにして縮小するのか?」を検証することであり、また、「西暦410年に発生したローマへの蛮族の襲撃」が「その1600年後の2010年前後に発生したGFC(世界的な金融大混乱)」に相当する可能性を考えることである。
そして、この過程で解明されることは、「お金の謎」や「歴史のサイクル」、そして、「心の謎」とも思われるが、実際には、「人々の意識と行動とが、時代によって、どのような変化を見せるのか?」、あるいは、「どのような時に、どのような社会が形成されるのか?」の理解である。具体的には、私自身が、以前に作成した「心の座標軸」、すなわち、「意識と行動の変化を表す図表」を参考にしながら、今後の「人々の意識が目に見えるものから目に見えないものへ向かい、また、人々の行動が自分から他人に向かう展開」の検証である。
より詳しく申し上げると、「世界の絶えざる進化と創造」については、「日や月、そして、年の繰り返し」と同様に、「東西文明という陰と陽との繰り返し」によって発生する可能性を考えながら、「11次元にまで進化した自然科学」を、どのようにして、「3次元にとどまっている社会科学」に応用するのかを考えることである。別の言葉では、「ライプニッツの予定調和説」や「ヤスパースの枢軸時代」などが教えるとおりに、「人類を進化させるために神の見えざる手が働いている可能性」を考えることである。