ストックマーケットレポート・サンプル 2017.7.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

今回は、「7月1日」に「英国エコノミスト誌」に掲載された、「習近平氏の『中国の夢』、千年間のGDPで精査」という記事を紹介させていただきながら、現在の「世界情勢」や、最近、再び、注目を集め始めた「グレートダイバージェンス(大分岐)」について、できるだけ詳しく説明させていただきます。具体的には、「中国の習近平国家主席には歴史認識に誤りがあり、この点を、三人の中国とイギリスの歴史学者が、資料を基にして検証した」というものです。

より詳しく申し上げますと、「習近平氏」は、「屈辱の100年」という言葉を使い、「1839年のアヘン戦争から、1949年の中国共産党の設立までの間、中国は、屈辱の約100年間を経験した」と考えるとともに、「2049年」の「新中国建国100周年」までに「世界の覇権国家となる目標を立てている」とも報道されているわけです。つまり、次の「習近平氏の就任演説」からも明らかなように、「屈辱の100年以前、中国は世界の先進国だった」と理解しているようですが、この点につきまして、今回の記事は、まったく違った意見を述べているわけです。

「わが民族は、偉大なる民族だ。五千年以上にわたる文明の発展の中で、中華民族は人類の文明の進歩に不滅の貢献をしてきた。それが近代以降、艱難辛苦を経験し、最も危険な時期を迎えた。だが、中国共産党の成立後、頑強に奮闘し、貧困の立ち遅れた旧中国を、繁栄と富強の新中国へと変えた。中華民族の偉大なる復興の光明は、かつてないほど、すぐ近くの前景にある。中華民族を世界民族の林の中で、さらに強く自立させるのだ!」(出典:現代ビジネス)

具体的には、「2017年4月」に「英国のオックスフォード大学」で発表された「"China, Europe and the Great Divergence: A Study in Historical National Accounting, 980-1850" (中国、ヨーロッパ、そして、大分岐:西暦980年から1850年における歴史的な国家会計の研究)」という論文で、「英オックスフォード大学のスティーブン・ブロードベリー氏」、「中国・北京大学の管漢暉氏」、そして、「北京にある清華大学の李稻葵氏」の三氏が、「中国は、数百年前から欧州に後れを取っていた」という内容の意見を述べたわけです。

また、「Great Divergence(グレートダイバージェンス 大分岐)」につきましては、「1990年前後に、サミュエル・ハンティントンという学者が造った言葉」とも言われています。具体的には、次のグラフのとおりに、「中国は、19世紀どころか、14世紀には、欧州主要国に追い抜かれていた」という事実のことですが、この点につきましては、「上記の研究から明らかになった」とも述べられており、また、この時に、次のような問題提起を、「英国エコノミスト誌」が行っているわけです。