ストックマーケットレポート・サンプル 2020.3.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

この10日間は、「コロナ・ショック」が引き起こした「パニック状態」が、より加速している状況とも言えるようです。そのために、現在、最も必要とされることは、最初に、「パニック状態に陥らないこと」であり、また、次が、「冷静な態度で、現状を分析すること」だと考えています。具体的には、「何が、最も重要なポイントなのか?」を、過去に遡って考えることであり、また、現在、世界中に蔓延している「恐怖心」の正体を考えることですが、基本的には、「生命や資産が失われる可能性」が高いときに、最も大きな「恐怖心」が生み出されるものと考えています。

つまり、「恐怖心」が発生する理由としては、以前に申し上げましたとおりに、「自分が持っているものが失われるリスク」が指摘できるものと考えていますが、今回の注目点は、「過去半年間で、失われるものの対象に、大きな変化が発生した可能性」とも感じられるわけです。具体的には、「お金から生命へ」というように、現在では、「生命を救うためには、経済活動やマネーを犠牲にしても良い」というような「認識」に大転換した状況とも思われるわけです。

このように、今回の「コロナ・ショック」は、「世界中の人々に、何が最も大切なのか?」という点を再認識させたことが挙げられるとともに、このことが、今後、きわめて大きな意味を持つものと思われるわけです。具体的には、「西洋的な価値観から、東洋的な価値観への大転換が、あっという間に終了した可能性」のことですが、実際には、「唯物論」という「物質的な豊かさを追い求めた時代」から、「唯心論」という「精神的な裕福さを追い求める時代」への「変化」のことになります。

また、この点に関して重要なポイントは、「ストック」である「マネー経済」と「フロー」である「実体経済」の違いを理解することだと考えていますが、実際には、残念ながら、現在でも、この点に関して、「市場の誤解」が存在するものと思われるわけです。そして、このことが、はっきりと認識されるのが、「3月から4月ではないか?」と考えていますが、その理由としては、「3月の己卯(つちのと う)」という暦が、「1999年」と「フラクタル(相似形)」の関係となっており、このことが、現在、「国債バブルのピークを形成している状況」とも感じられるからです。

より具体的に申し上げますと、現在は、「世界的に国債が買われ、株式が売られている状況」となっており、このことは、「米国の緊急利下げ」や「コロナ・ショック」に対して、「市場が過剰反応している状況」とも思われるわけです。また、現在は、「為替」につきましても、「急激な円高」が発生しましたが、実際には、この点も、昨年の「米中貿易戦争の状況」と同様の状況、すなわち、「国債の買い、株式の売り、そして、円高」という「プログラム売買」により、「金融システムの安定性」に関して「時間稼ぎ」が行われてきた状況のようにも思われるわけです。