ストックマーケットレポート・サンプル 2020.3.30号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
「2020年の3月相場」で発生した現象は、基本的に、「コロナ・ショック」が引き起こした「人々の覚醒」、すなわち、「お金よりも、生命が大切だ」という「認識面での変化」であり、その結果として、「金融界のブラックホールに隠されていたものが、現在、急速に表面化し始めている状況」のようにも感じています。別の言葉では、「1999年以降」は、「デリバティブの大膨張により、大量のコンピューターマネーが創り出され、金融界のブラックホールが形成された状況」だったものが、現在では、「ブラックホールからホワイトホールへの大転換が発生している状況」とも想定されるわけです。
また、今後の展開を考える上で、最も注目すべき点は、上記の「国債価格の急騰」だと考えていますが、実際には、「2020年の3月」が、上記のチャートのとおりに、「世界的な国債バブルのピークだったのではないか?」ということです。つまり、私自身の「従来の予想」は、「2019年の9月前後に、国債価格がピークを付けたのではないか?」ということでしたが、現在では、この予想が外れた状況となっているために、「なぜ、このようなことが起こったのか?」を、真剣に考慮している状況でもあるわけです。
具体的には、今回の「タイミングのズレ」について、「暦のフラクタル(相似形)が働いている可能性」を検討している状況でもありますが、実際には、「2020年の3月」と「1999年」が、「己卯(つちのと う)」という「同じ暦」となっていることも見て取れるわけです。別の言葉では、「2020年の3月相場」に関して、「1999年の状況」が思い出される展開となっていますが、「時間のサイクル」に関しては、ご存じのとおりに、「西暦末尾が0の年は、バブルがはじけやすい性質がある」、あるいは、「西暦末尾が1の年は、血を見るような事件が起きやすい性質がある」などのことが、今までの経験則から理解できるわけです。
そのために、今回、改めて、「過去20年あまりの展開」を振り返ってみましたが、その結果として気付かされたことは、「1999年に、なぜ、ITバブルが発生したのか?」、より具体的には、「なぜ、国債のバブルが弾けなかったのか?」ということに関する「新たな気付き」でもあったわけです。そして、「デリバティブのバブルが産み出した超低金利状態、あるいは、金融界のブラックホール」について、一種の「タイムスリップ」のような感覚を持ったわけですが、実際には、「今回の国債バブルは、本来、1999年に発生していたはずだったのではないか?」ということです。