ストックマーケットレポート・サンプル 2020.6.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

今回は、過去数年間における、「政府の思惑」と「国民の理解」の「変化」、あるいは、「推移」について考えてみたいと思います。具体的には、「米中の貿易戦争」と「コロナ・ショック」が、「どのような影響を、世界中の人々に与えたのか?」を理解することであり、また、「インフレの大津波」に関して、「どのようなメカニズムで、引き潮の状態が発生したのか?」を考えることになります。つまり、実際の展開としては、次のグラフのとおりに、「米中の貿易戦争」が「引き潮の第一波」であり、また、「コロナ・ショック」が「引き潮の第二波」だったものと思われるわけです。

    米国の10年国債価格(月足)

    (出典:TFC Commodity Charts)

より詳しく申し上げますと、「緑の丸と矢印」の部分が、「米中貿易戦争の影響や効果」であり、また、「赤の丸と矢印」の部分が「コロナ・ショックの影響や効果」でもありました。そして、どちらの場合にも、「実体経済への悪影響」が危惧され、その結果として、「株価の急落」と「国債価格の上昇」が発生したわけですが、興味深い点は、「株価」と「国債価格」との間に、大きな違いがみられる状況とも言えるわけです。そのために、私自身としては、この点を分析することにより、「国民の意識と政府の思惑が、この間、どのようにして変化したのか?」が理解できるものと感じているわけです。

つまり、現在では、「権力の暴走」と「国民の反発」が、世界のいたるところで発生しており、このことは、「800年、あるいは、1600年に一度」の「東西文明の大転換期」を象徴する出来事のようにも思われるわけです。そして、「この事実を無視すると、今後の投資において、さまざまな面で、過ちを犯す可能性が高いのではないか?」とも感じているわけです。つまり、「変化の法則」が理解できない時に、多くの「悩み」や「苦しみ」を抱える状況のことですが、この点につきましては、ご存じのとおりに、私自身が、今までに、数多く経験したことでもありました。

具体的には、「なぜ、自分の予想通りに、相場が展開していかないのか?」という「悩み」や「苦しみ」のことですが、結局は、「天地自然の理」が理解できていなかったことに、最も大きな原因が存在したものと思われるわけです。また、今後の展開につきましては、今回の「コロナ・ショック」からも明らかなように、「嘘や誤魔化しが通用しない現場主義」でしか、混乱状態を切り抜けることができない状況のようにも感じていますが、この時の注意点としては、現在の「デフレやインフレに対する誤解」も、過ちに繋がる原因の一つとして挙げられるものと考えています。