本間宗究(本間裕)のコラム
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2014.10.16
信用本位制の終焉
今年で、私も「還暦」の歳を迎え、人生の「節目の時」となるのだが、この間を振り返ると、ほとんどが、「デリバティブとの格闘期」だったようにも感じている。つまり、「1971年のニクソンショック」により「金本位制の時代」が終焉し、その後は、「信用」や「錯覚」を基にした「現代の通貨」が、歴史上、初めてとも言える規模で、大膨張したのである。そして、この間の「人々の意識」としては、「人生で最も大切なものは、お金である」というような「誤った認識」が広まり、その結果として、「デリバティブの大膨張」が起きたものと思われるのである。
しかし、今回の「デリバティブのルール変更」については、たいへん大きな意味が存在するとともに、実際には、「信用本位性の終焉」という「重大な変化の時期」を迎えたようにも思われるのである。別の言葉では、「世界中の人々」が、「現代の通貨」に関して、「認識を改めざるを得ない時期」が訪れたものと考えているのだが、この点については、「第二のリーマン事件」が起きた時に、はっきりと理解されるものと考えている。
別の言葉では、近い将来に、「通貨価値の激変」が起き、結果として、「お金の謎」が解き明かされる状況を想定しているのだが、それにしても、「1971年以降の世界」を振り返ると、「これほどの激動期は、かつて、存在しなかったのではないか?」とも考えられるようである。つまり、「マネーの大膨張」により、「さまざまなビジネス」が誕生し、また、「いろいろな技術革新」が行われたのだが、このことは、まさに「陽の面」であり、決して、否定できない事実とも言えるようである。
しかし、一方では、世界的な「環境破壊」が進行するとともに、「人々の心」も荒れ果てた状態になってしまったようだが、このことは、間違いなく「陰の面」とも言えるようである。そして、今後は、世界中の人々が、すべてを引き継ぎながら、新たな時代を迎えることになるようだが、この時に考えなければいけない点は、「世界的に適正な通貨量は、一体、どれほどなのか?」ということでもあるようだ。
別の言葉では、現在の「信用本位制」が崩壊した後に、「どのような通貨制度になるのか?」ということだが、残念ながら、この点については、「ほとんどの人が、問題意識を持たないだけでなく、現在の通貨制度に関する理解が存在しない状態」とも言えるようである。つまり、依然として、「裸の王様」のような状態が、現在の金融界で繰り広げられているのだが、この時に「ショック」をもたらすのが、「第二のリーマン事件」でもあるようだ。