本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.4.27

中国の陽動作戦

最近、中国は、巧妙な「陽動作戦」を遂行しているようにも思われるが、具体的には、表面上、「軍事力の脅威」を見せつけながら、その裏側で、「金融支配の強化」を目論んでいる可能性のことである。つまり、「孫子の兵法」のとおりに、「戦わずして勝つ」という作戦を実行しているようにも感じられるが、究極の目的としては、「米国」の次に、「世界の覇権国家」になることでもあるようだ。

別の言葉では、今までの、「国債」と「金」とを巡る「金融大戦争」が、いよいよ、正体を現してきたようにも感じられるが、今回の「AIIB(アジアインフラ投資銀行)」については、現在、「中国」の思惑通りの展開となっているようである。つまり、「戦い」に勝つ方法としては、「敵の分断作戦」が考えられるが、この点については、「アメリカ」と「イギリス」との間に、大きな「隔たり」ができてようである。

その結果として、現在、「アメリカ」には、より一層、「日本への接近」が必要とされており、実際に、今回の「安倍首相の訪米」が実現した可能性も存在するようである。つまり、「事実上の国賓待遇」や、「米国議会での演説」などについては、「アメリカの焦り」が現れているようにも感じられるが、「安倍首相」としては、「得意満面」で、いろいろな行事に参加したようである。

別の言葉では、きわめて複雑な状態にある「世界情勢」などは鑑みずに、単に、「自分の功績」だけを考慮した可能性のことだが、実際には、「TPP問題」や「日米安保問題」など、これからの「日本の運命」を決定づけるような問題が、数多く存在するものと考えている。つまり、現在の「日米関係」を考えると、どちらの国々も、きわめて難しい問題に直面しているようだが、実際には、「国家債務」と「金融システム」のことである。

具体的には、「アメリカが、いつ、利上げを実行するのか?」、そして、「利上げのペースは、本当に、イエレン議長の予想通りに、ゆっくりと実施されるのか?」という点である。そして、この点に、大きな「見誤り」があった時には、世界情勢が、一挙に、混乱状態に陥ることも予想されるのである。つまり、「アメリカの没落」であり、また、「日本」も、同様に、「金利の急騰」や「国家債務問題の悪化」などに悩まされる状況のことだが、このことが、現時点の「中国の思惑」のようにも感じられるのである。そして、今後は、世界的な「金利上昇」が始まった時に、全てが明らかになるものと考えているが、現時点では、すでに、「ドイツ国債」が危機的な段階に入ったようである。