本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.5.6
史上最大の金融バブル
「バブル発生」の歴史は、「マネー大膨張」と、ほぼ同じ軌跡をたどっていたようだ。つまり、西暦1600年頃に、「時は金なり」という思想が誕生し、その後、さまざまなバブルが発生したが、この原因としては、過去400年間に起きた、名目上の「マネー大膨張」が指摘できるものと考えている。別の言葉では、大膨張した「世界のマネー」が、いろいろな市場に溢れ出すことにより、時には、「チューリップの球根」、また、別の時には、「株式」や「土地」、あるいは、「国債」などの市場で「バブル」が発生したのである。
そして、現在では、「マネーの膨張」が、いよいよ、最終局面を迎えようとしており、今後は、「最後のバブル」が発生するものと考えているが、この時に考えなければいけない点は、これから、世界の「マネー」が、どのように変化していくのかということである。つまり、現在の金融界は、まさに、「根の無い切り花」の状態となっており、実際には、「根本の信用」が失われながらも、「表面上の金融商品」が、史上最大の規模となっているのである。
しかも、この時に、「国家の財政破綻」が危惧されながらも、「中央銀行による、大量の国債買い付け」が実施され、表面上は、「デフレ」や「超低金利状態」が演出されているようだが、これから想定されることは、世界的な「紙幣の大増刷」だと考えている。つまり、「どのような政府も、自ら破産を宣告した例はなく、必ず、紙幣の増刷で生き永らえる」という「ケインズの言葉」のとおりに、世界中で、大量の紙幣が溢れ出すことが予想されるのである。
つまり、「お金の性質」としては、「残高は、常に増え続け、最後に、インフレで消滅する」という点が指摘できるのだが、今回は、このことが、世界的に実験されようとしているのである。その結果として、「国民が、政府や通貨に対する信頼感を、完全に失う」という事態も予想されるのだが、この時に発生することは、「国民が、パニック状態に陥り、慌てて、実物資産へ、資金の移動を行う」ということでもあるようだ。
別の言葉では、今後、「数百兆円」、「数千兆円」、あるいは、それ以上の天文学的な規模で、紙幣の大増刷が、世界的に実施されるものと考えている。そして、このキッカケとなるのが、世界的な「国債価格の暴落」であり、すでに、「ドイツ」を始めとしたヨーロッパ諸国でも始まっているようだが、この時に予想されることは、さまざまな実物資産の価格が、信じられないほどに、急騰する状況でもあるようだ。