本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.8.26
天皇陛下と政治
歴史を尋ねると、「天皇陛下」と「政治」については、きわめて複雑、かつ、微妙な問題が存在するようである。具体的には、現在でも、「第二次世界大戦」の時の「天皇陛下の責任」が、いろいろと議論されている状況だが、実際には、「軍部の暴走」により、「当時の天皇陛下は、ほとんど、影響力を失っていた可能性」も存在するようである。また、「明治維新」の前を振り返ると、実際には、「600年以上も、武士の時代が続いた」という状況も理解でき、このことは、「天皇陛下が、この間、ほとんど、政治的な役割に参加していなかった状況」を表しているものと考えている。
具体的には、「1221年」に起きた「承久の乱」により、「天皇陛下が、ほとんど、政治的な力を失った可能性」のことだが、この時に起きたことは、「北条政子」が「後鳥羽上皇などを戦いで打ち破り、権力を奪取した」ということだった。そして、その後は、ご存じのとおりに、「鎌倉幕府」、「室町幕府」、あるいは、「江戸幕府」というように、「武士が日本を支配する時代」が続いたのだが、問題は、「明治維新」の時に、再び、「天皇の勅命」という「錦の御旗」が掲げられたことである。
つまり、「討幕のために、再び、天皇陛下のお名前が使われた可能性」であり、この後は、「天皇大権」という「絶対的な権力」が付与されることとなったのである。別の言葉では、「西洋の列強に追いつくために、天皇陛下が求心力となった時代」でもあったようだが、問題は、やはり、「1931年からの満州事変」であり、実際には、「軍部の暴走」が、この前後から始まったようにも思われるのである。
そして、この点を、「昔の軍部、今の官僚」という言葉に当てはめると、問題は、「2001年の9・11事件」が指摘できるようである。つまり、今回は、「60年周期」ではなく、「70年周期」が働いているようにも感じているが、この理由としては、今回の「金融大戦争」が、「目に見えない戦争」であり、また、「世界的な広がり」を持っていることも指摘できるようである。
その結果として、現在でも、依然として、世界的な「超低金利状態」が実施されているが、今回は、いよいよ、この点に、大きな問題が起き始めたようである。つまり、世界的な「金融コントロール」が効かなくなり始め、さまざまな「市場の混乱」が発生しているようにも思われるが、今回の「根本的な問題」は、第二次世界大戦の時、「天皇陛下」が「神様」となったように、「お金」が「神様」になった点にあるものと考えている。