本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.12.4
2015年を振り返って
「2015年」を振り返ると、世界的な「国債のマイナス金利」が、最も象徴的な出来事だったが、一方で、このことは、「世界の資金」に関して、「大転換期」となった可能性を示唆しているものと考えている。つまり、「金利」は、「お金の値段」を意味しており、実際には、「お金の量」が増えれば増えるほど、「金利の低下」が発生しやすくなり、その結果として、今回は、「ヨーロッパ」を中心にして、「国債の発行者が、国債の発行により利益を得られる」というような「前代未聞の事態」が発生したからである。
別の言葉では、「お金」や「国家の信用」に関して、歴史的な「バブルの状態」となったようだが、問題は、「アメリカ」を始めとして、このような異常事態に耐え切れなくなっている可能性である。つまり、「12月2日」に、「シカゴ教職員年金・退職金基金」が、「米国の主要金融機関」に対して集団訴訟を起こしたが、具体的には、「デリバティブの本丸」とも言える「金利スワップ」に関しての「価格操作」が疑われているのである。
また、「12月のFOMC」で、「アメリカの利上げ」が実施されたが、このことも、結局は、「歴史的な超低金利状態」に関して、大きな問題が発生している状況を意味しているようである。そして、このことが、「バブルの状態」とも言える、現在の「世界の金融システムや通貨制度」に関して、崩壊のきっかけになるものと考えているが、現在の問題は、「その後、世界の金融市場で、どのような事が起こるのか?」が、ほとんど理解されていない点とも言えるようである。
具体的には、依然として、「大恐慌」や「株価の暴落」などが危惧されており、「通貨価値の下落」という、本当の「インフレ」に関して、誰も考慮していない状況とも考えられるのである。別の言葉では、すでに始まっている「インフレ」、そして、その結果としての「株価の上昇」に対して、ほとんどの人が懐疑心を抱いているようだが、これから想定されることは、より一層の「株価上昇」であり、また、「商品価格の急騰」だと考えている。
つまり、「日本株の30年サイクル」のとおりに、今後は、「日本株」を始めとして、「世界の株価」が急騰するものと考えているが、この理由としては、「日銀」を始めとして、「世界の中央銀行」が、資金繰りの危機に見舞われることが考えられるのである。つまり、大々的な「紙幣の増刷」により、本当の「インフレ」がはっきり見え始める事態のことだが、実際には、「お金の正体」が理解され始めた結果として、多くの人々が、「換物運動」に走る状況とも考えらえるようだ。