本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.1.7

悩み始めた日本人

最近の報道を見ると、「悩み始めた日本人」の姿が浮かび上がってくるようだが、実際に、「難問山積の世界情勢」に対して、「どのように対応すべきなのか?」、また、「なぜ、このような状態になったのか?」を真剣に考え始めたようにも思われるのである。別の言葉では、かつての「物言わぬ日本人」から「物を言い始めた日本人」に変化し、現在では、「危機感を持った日本人」へと、大きく変貌を遂げているようにも感じられるのである。

そして、この時に起きた変化は、「徐々に、過去の歴史をさかのぼり、原因の追究を始めている状況」とも言えるようだが、具体的には、「2008年のリーマンショック」の時には、それまで、「戦後の歴史」だけを見ていた人々が、戦前の「大恐慌」や「ドイツのハイパーインフレ」などを研究し始めたのである。また、現在では、「環境問題」や「難民問題」などが起きたことにより、「1800年頃の産業革命」にまで時間をさかのぼり、原因追及を始めたようだが、この時に思い出されるのが、私自身の経験である。

具体的には、今から30年程前の「1987年」に、「ブラックマンデー事件」で、大きな衝撃を受け、原因追及のために、時間を遡って研究した経験のことである。そして、この時に感じたことは、「1800年頃まで時間をさかのぼると、その後は、スピードが速くなる」ということだったが、実際には、「西暦1600年頃」に発生した「時は金なり」という認識の変化に行き着き、その後は、「西暦1200年頃」から始まった「ルネッサンス」にまで、時間を遡ったのだった。

また、その後は、「西暦400年頃」までの「西ローマ帝国の繁栄と崩壊」にまで時間を遡り、「西ローマ時代」を検証した後に、今度は、時間の流れどおりに、世界の歴史を研究し始めたのだが、この時に気付かされたことは、「お金の謎を解いた人は誰もいない」という事実であり、また、「時間のサイクルには、きわめて単純な法則がある」ということだった。つまり、「村山節氏」が発見した「文明法則史学」のとおりに、世の中が動いているという事実のことだが、この法則が教えることは、間もなく、本格的な「金融大混乱」が起き、その後は、「東洋の時代」が始まることになるようだ。

具体的には、「唯物論」という「物質文明」から、「唯心論」という「精神文明」への移行が想定されるのだが、この時に、決して、繰り返していけないことが、「1600年前の悲劇」とも言える「すべての物質文明を破壊する事」であり、今後は、「物質文明」と「精神文明」の融合が必要不可欠になるものと考えている。