本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.4.12

北朝鮮と国際金融情勢

現在の「北朝鮮」は、まさに、「窮鼠、猫を噛む状態」とも言えるようであり、すでに、海外との対話を諦め、ミサイルの発射などを繰り返すことにより、破滅を待っている状況とも考えられるようである。しかも、この時に、「高官の脱北」が相次いでいるとも報道されているために、「国家の崩壊」は、時間の問題のようにも思われるが、この時に考えなければいけないことは、「いつ、帰還不能点(ポイント・オブ・ノーリターン)を超えたのか?」ということでもあるようだ。

そして、この点に関して、思い出されるのが、今年の初めの「二つの打ち上げ花火」でもあるが、「一つは、北朝鮮の水爆実験」であり、「もう一つが、日本のマイナス金利」のことである。つまり、この時が、「北朝鮮」のみならず、「世界の金融」についても、「帰還不能点」を超えた時期だったようにも感じているが、かりに、この推測が正しいとすると、今後は、予想以上の大混乱を考える必要性があるものと考えている。

具体的には、「BIS(国際決済銀行)」や「IMF(国際通貨基金)」などが指摘するように、「金融政策の限界」であり、また、「マイナス金利の副作用」のことだが、実際には、「近い将来に、実物資産価格のバブルが発生する可能性」のことである。つまり、現在の日本では、「信託銀行の預金に関して、4月の半ばから、マイナス金利が実施される」と報道されており、このことは、「個人の預金が、実質的に、目減りをする状況」とも言えるのである。

そのために、「個人投資家」を中心にして、「マイナス金利でも、目減りをしない資産への資金移動が起こる」という状況を、「IMF」は想定し始めたようだが、実は、このことが、本当の「インフレ(通貨価値の下落)」を意味しているのである。つまり、今まで、たびたび、申しあげてきた『ギャロッピング、インフレ』から「ハイパーインフレ」への動きのことだが、現在では、ようやく、いろいろな国際金融機関が、この点を危惧し始めたようである。

そして、このキッカケとなるのが、「国債価格の暴落」だと想定しているが、現在では、この時期が、近づいており、実際には、「北朝鮮の崩壊」か、それとも、「国債価格の暴落」の、どちらが早いのかを考える段階に入ったようである。換言すると、「権力の暴走」が、「北朝鮮」のみならず、「日本」を始めとした先進諸国で発生している可能性であり、この点に関して、「金融大混乱」という「人災」が発生する状況のことである。