本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.6.22

バブル破裂のメカニズム

「ビル・グロス氏」が言及した「超新星」を調べて感じたことは、「バブルは崩壊するのではなく、破裂するのではないか?」ということであり、また、「恒星に限らず、国債バブルや風船なども、全てが同じメカニズムで破裂するのではないか?」ということだった。つまり、「大膨張したものは、必ず、破裂する運命にあるのではないか?」ということだが、この時の問題点は、「時間的な違い」であり、実際には、「風船」の場合、「数十秒や数分」という時間が必要であり、一方で、「恒星」の場合には、「数億年から数十億年」、そして、「金融」の場合には、「数年から数十年」の時間が必要とされるということである。

また、「破裂のメカニズム」については、「風船」の例からも明らかなように、最初は、「吐いた息」が原動力となり、「限界点にまで、ゴムが伸び切る状態」となるのだが、この時の注目点は、その後に、「風船内外の圧力差により、ゴムに穴が開く」という状況でもあるようだ。つまり、「ほぼ瞬間的に破裂し、内外の圧力差が均等になる状態」のことだが、このメカニズムを、現在の金融情勢に当てはめると、実に、興味深い事実が浮かび上がってくるようにも思われるのである。

具体的には、「2007年のサブプライム問題」と「2008年のリーマンショック」の前後に、「デリバティブ(金融派生商品)」も含めて、「マネーの大膨張」が限界点に達した可能性である。そして、その後の「量的緩和」については、「ゴムが劣化するような状況」が「世界の金融システム」において発生したようにも感じているが、実際には、「先進各国の中央銀行が、民間金融機関の預金を、国債に入れ替えた状況」のことである。

しかも、最後の段階では、「マイナス金利」までもが実施されたが、このことは、「金融システムの内部に穴が開き始めた段階」を意味しているようである。その結果として、間もなく、「マネーバブルの破裂」が発生し、その時には、「マネー経済」と「実体経済」との間で、ほぼ瞬間的に、「圧力差が消滅する状況」が想定されるが、このことは、「インフレの大津波」が、はっきりと姿を見せ始める状況とも言えるようである。

つまり、「2008年のリーマンショック」が、実は、「金融の大地震」であり、その後は、「インフレの大津波」が、海中の深いところで、静かに潜行していたようにも思われるのである。そして、今後は、「国債価格の暴落」とともに、一挙に、姿を現し始める段階に差し掛かっているようだが、この仮説については、今後、数週間、あるいは、数か月間で、答えが出るようにも感じている。