本間宗究(本間裕)のコラム
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2016.8.22
内部分裂を始めた護送船団方式!?
現在では、日本の「金融護送船団方式」に内部分裂が生じた可能性が存在するようだが、この「護送船団方式」というのは、本来、軍事用語であり、「船団の中で、最も速度の遅い船に合わせて、全体が騰勢を確保しつつ進んでいく方法」を意味している。そして、この方法が、戦後の「日本金融界」で採用され、「日本経済の発展に、大きく寄与した」ものと考えているが、現在では、反対に、マイナス面が指摘され始めている状況とも言えるようである。
具体的には、現在の「マイナス金利」に対して、最初に悲鳴を上げたのが、「三菱東京UFJ銀行」であり、実際には、「プライマリーディーラー」の資格を返上したのである。そして、理由としては、「マイナス金利での国債引き受け」に対して、大きな損失が出ることを危惧した点が挙げられるようだが、同時に、「金融庁」についても、「金融機関の監督者」として、金融機関の健全性を確保することが目的の一つとされているのである。
そのために、「マイナス金利からの脱却」を望んでいるようだが、実際には、「財務省」や「日銀」が、この点に対して、反対の立場をとっている状況とも言えるようである。つまり、泳ぎ続けなければ死んでしまう「マグロ」と同様に、「国債を買い続けなければ、国債価格が暴落し、金融システムが崩壊する」と考えている人が存在するようだが、一方では、「国債」を買い続けるために、「マイナス金利」を継続する必要性があり、この状況下では、「日銀」を始めとして、「さまざまな金融機関に、巨大な損失が発生する状況」も想定されるのである。
このように、現在の日本は、「前門の虎、後門の狼」という言葉のとおりに、「どちらに転んでも、きわめて危機的な状況」に陥っているようだが、仮に、私が想定するような「内部分裂」が発生しているとすると、このことも、きわめて危機的な兆候の一つとも考えられるようである。具体的には、「明治維新」の時のように、日本の国内で内部分裂が起き、「開国派」と「攘夷派」が争っていた時に、突如として、「大政奉還」が起き、「江戸幕府」が崩壊したような状況のことである。
別の言葉では、「風船の破裂」のように、内部で、亀裂が発生した時が、最も危機的な状況とも言えるようである。そして、今回は、「金融の護送船団方式」そのものが、亀裂状態となっているようであり、また、このことが、今後の「国債バブル崩壊」のきっかけになる可能性が高まっているようにも感じられるである。