本間宗究(本間裕)のコラム
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2016.9.26
日銀の破綻!?
今回の「日銀の政策変更」については、「日銀の苦悩」を表すとともに、「量的緩和の限界点」をさらけ出した状況とも言えるようである。つまり、「イールドカーブ・コントロール」や「オーバーシュート型コミットメント」などのように、「言語明瞭、意味不明瞭」な言葉を使うことにより、「一般国民を、煙に巻こうしているような思惑」が存在するようだが、実際には、「頭隠して、尻隠さず」という言葉のとおりに、「海外では、きわめて厳しい見方が出ている状況」とも言えるのである。
具体的には、「奈落の底の上で、綱渡りをしているような状況」などの表現までもが使われているが、実際に、今後の「日銀の資金繰り」を考えると、きわめて厳しい展開が考えられるようである。つまり、「日銀の破綻」が視野に入ってきたようにも感じているが、この時に注意すべき点は、「日銀は破綻しても、破産はしない」という「国家」と同様のメカニズムが働く可能性である。
別の言葉では、「最後の手段」として「紙幣の大増刷」が残されており、実際には、「1945年の終戦時」と同様に、「大インフレを引き起こすことにより、借金を棒引きにする政策」が存在するのである。そのために、「黒田日銀総裁」は、現在でも、依然として、きわめて強気の態度を取っているようにも思われるが、「今後、金利の上昇下で、日銀のバランスシートが、どのように変化するのか?」を考えると、決して、安穏とした状態ではいられないようにも感じられるのである。
つまり、最初に考えなければいけない事態は、「市場の反乱」である「国債価格の暴落」のことだが、この時に発生する事態は、「国債市場のマヒ状態」であり、実際には、「1991年のソ連」と同様に、「国債の買い手」が存在しなくなる状況である。そして、この時には、「国債買い付けの資金源」だった「約300兆円もの当座預金」が、遅かれ早かれ、市中に戻ることが想定されるが、問題は、「この時に、どのような衝撃が、株式や貴金属、あるいは、土地などの価格に発生するのか?」ということである。
具体的には、「30年前のバブル相場」とは比較にならない規模で、「価格の上昇」が発生するものと思われるが、実は、このことが、「金融庁」が目論んでいる「現預金から実物資産への資金移動」とも考えられるのである。つまり、「名目上の価格上昇により、実質的に、国家の借金を棒引きにする政策」のことだが、現在では、水面下で、着々と、この動きが始まっているようにも感じられるのである。