本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.10.25

イエレン議長の問題提起

「10月14日」に行われた「ボストン地方連銀主催の第60回経済会議」で、「イエレンFRB議長」は、実に興味深い問題提起をしたが、この理由として、「現在の経済理論は、きわめて未熟であり、現実の問題を解決できない」、また、「極端な経済変動期に、新たな理論が生まれる」という点を指摘されている。また、「1929年の大恐慌」、「1970年代のインフレ」、そして、今回の「2007年、あるいは、2008年からの金融混乱」を「極端な経済変動期」として挙げるとともに、次の四点が「未解決の問題」として提起されたのである。

① :総需要と総供給との関係性

② :需要と供給とのタイムラグ、需要の多種性

③ :マネー経済と実体経済との関係性

④ :インフレが発生するメカニズム

つまり、「既存の経済理論では、上記の問題を説明することができない」とも述べているが、この点については、私が今まで説明してきたことと、ほとんど合致する内容となっているようだ。別の言葉では、私自身が、30年以上も前から感じていた「世の中の変化に、経済理論が追い付いていない状況」に対して、「世界中の経済学者に、問題提起をするとともに、更なる研究と解決策を要求した」ものと考えられるのである。

ただし、今回の問題提起は、いまだに、「お金の謎」が解けていないことに、最も大きな理由が存在するようだが、同時に感じたことは、「これからの金融混乱に対処するためには、上記の四点では不十分である」ということでもあった。つまり、「お金の謎」を解くだけではなく、「時間のサイクル」や「心の座標軸」を理解することが必要不可欠だと考えているが、幸いなことに、私自身としては、「今年の5月」に、これらの全てを含んだ「5次元の経済理論」が完成したようにも感じている。

そして、今後は、この「基礎理論」が、「実践に対して、正確に応用できるかどうか?」を検証するだけだと考えているが、より深く感じたことは、「ようやく、世界中の経済学者が、私と同じ方向に向き始めた状況」に対する喜びでもあった。つまり、今までは、「お金の謎」を考える人が、ほとんど存在せず、単に、「お金儲けの方法論」だけを議論する人が、数多く存在したからだが、このことも、時代の大転換を象徴する、大きな事件のようにも感じている。