本間宗究(本間裕)のコラム
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2016.11.14
トランプ次期大統領の衝撃
「トランプ次期大統領の誕生」は、世界中に、大きな衝撃を与えたようだが、基本的には、「どちらが大統領に選出されようとも、時間的なズレで、同じ結果になった可能性」が存在するようにも感じている。つまり、現在の「金融市場」に対しては、今回の「米国大統領選挙」よりも、「先進各国の金融政策が行き詰まった」という点が、より大きな影響を与えたものと思われるのである。
具体的には、「世界各国で、金利上昇が始まった状況」のことだが、このことは、「過去35年ほど続いた世界の金利低下が、歴史的な大転換を迎えた」という事実を表している。別の言葉では、史上最大規模の「マネーの大膨張」に関して、劇的な変化が起こり始めた可能性のことだが、今後は、この点が理解できない限り、相場への対応が難しくなる可能性も存在するようだ。
つまり、「お金の性質」を理解し、また、「お金が、どのように動くのか?」を判断することだが、現時点では、「国債」から「株式」へ、世界の資金が移動しているようである。別の言葉では、「世界の国債価格が、史上最大規模のバブル崩壊に直面した可能性」が存在するために、徐々に、「人々が、実物資産へ、資金移動を始めた状況」のようにも思われるが、「暦」の観点からは、「このことが、はっきりと見えてくるのは、今年の12月からではないか?」とも考えている。
また、現時点で、特に重要な事実は、今までに積みあがった「プログラム売買の残高」だと考えているが、具体的には、「国債を買うために、株式や貴金属を売り、また、円高にした商い」のことである。つまり、現在の「円安、株高」については、「トランプ次期大統領への期待感」がもたらしたものではなく、「プログラム売買の巻き戻し」が発生したことによるものと考えているが、同時に考えなければいけない点は、「この動きこそが、典型的なギャロッピング・インフレではないか?」ということである。
つまり、これから想定されることは、現在の「円安、株高、そして、金利上昇」が、さらに加速する状況であり、また、この動きが、しばらく継続した後に、本格的な「ハイパーインフレ」に移行する可能性のことである。そして、今回の「トランプ次期大統領の勝利」については、あまりにも行き過ぎた「マネーの大膨張」に対する「国民の不満」を代弁しただけだったようにも感じているが、この疑問に対する答えは、来年に、はっきりと出るものと考えている。