本間宗究(本間裕)のコラム
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2017.1.13
グローバリズムとローカリズム
現在、世界では、「トランプ大統領のコメント」で大騒ぎの状態となっているが、この時の注意点は、「グローバリズム(地球主義)」と「ローカリズム(地域主義)」を、よく理解することだと考えている。つまり、「米国内に工場を建設しろ」というような意見については、実際のところ、「1980年代初頭からの意見」であり、この観点からは、「アメリカの実体経済」が、すでに、「ローカリズムや保護貿易主義へと転換している状況」とも考えられるのである。
しかし、一方で、「デリバティブ(金融派生商品)」を中心にした「金融商品」については、「2008年のリーマンショック」の前後まで、「アメリカが、積極的にグローバリズムを推進した」という状況でもあった。そのために、現時点で必要なことは、「実体経済」と「マネー経済」とにおいて、「どの国がグローバリズムを推進し、一方で、どの国がローカリズムに走っているのか?」を理解することだと考えている。
別の言葉では、「どの国も、競争力のある商品については、積極的に、海外展開を図る」ということが、経済の基本であり、この観点から、現在の世界情勢を眺めることである。そして、現在の「アメリカ」については、「実体経済」のみならず、「マネー経済」においても、すでに「ローカリズム」を推進している状況とも想定されるが、問題は、「この時に、どのような事態が発生するのか?」という点である。
つまり、最初に「実体経済の成長」が存在し、その後に「マネー経済の大膨張」が可能になったという順番を理解することだが、今回の「トランプ大統領の政策」については、この点を無視するとともに、「米国政府への信頼」を崩壊させる効果が存在するようにも思われるのである。具体的には、「マネー経済の崩壊」を早める効果が存在するようにも感じているが、このことは、昨年半ばに大転換した「世界の金利」を、更に上昇させる状況とも想定されるのである。
別の言葉では、世界的な「国債価格の暴落」を促進する可能性のことだが、このことは、世界的な「グローバリズム」を崩壊させるだけではなく、「資本主義」そのものに対する「脅威」とも言えるようである。つまり、「トランプ大統領」の役割は、すでに、終焉の時を迎えている「資本主義社会」に関して、はっきりとした形で、崩壊させることのようにも思われるが、この時の問題点は、ほとんどの人が、「資本主義の次に、どのような時代が訪れるのか?」を理解できていないことでもあるようだ。