本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.1.25

国家債務とダウ平均

現在、「アメリカ株」は、「2万ドル」の大台を超えてきたが、今後の展開に関して、色々な意見が出ており、そのために、今回は、「グレーヤーズ氏」という金融の専門家の意見を紹介させていただきながら、今後の動向を考えてみたいと思う。具体的には、「1981年以降の、政府債務とダウ平均との関係性」だが、実際には、「1981年」に「レーガン大統領」が登場して以降、「アメリカの国家債務は約22倍になり、一方で、株価は約20倍に上昇した」という状況だった。

つまり、「国家債務」と「ダウ平均」については、「2000年のITバブル」を除いて、「過去30年以上、ほとんど同じペースで増加してきた」という状況だったが、この理由として、私自身は、「マネーの大膨張」が指摘できるものと考えている。つまり、実際に起こったことは、膨れ上がった「資金」が、「国債残高」と「株価」の両方を押し上げたものと想定されるのである。

しかし、今後の展開について、「グレーヤーズ氏」は、「これ以上の国家債務の増加に関して、紙幣の増刷が必要な段階に入った」とも述べられているが、このことは、「アメリカ」においても、「量的緩和(QE)」という「国債の買い支え」が難しくなった状況を表しているようである。あるいは、反対に、「利上げ」や「保有国債残高の減少」も考えるべき段階に入ったようにも思われるが、この点については、「アメリカ」のみならず、「日本」や「ヨーロッパ」も同様の状況とも想定されるのである。

そのために、現時点で必要なことは、「今後も、国家債務とダウ平均が、同じようなペースで増加するのか?」を考えることだが、この点については、色々な注意が必要だと感じている。つまり、最も重要な点は、「国家債務」の内容が、「国債」から「紙幣」に変化する状況であり、この時には、「紙幣の増刷」と「ダウ平均の上昇」が、やはり、同じペースになるものと想定されるのである。

別の言葉では、「量的緩和」が実施され、また、「金利が低下中」の時が、いわゆる「クリーピング・インフレ(忍び寄るインフレ)」の時期だったものと推測されるが、今後は、すでに始まった「金利上昇」とともに、「ギャロッピング・インフレ」から「ハイパーインフレ」に移行するものと想定されるのである。そのために、この点も考慮しながら、「今後の金融大混乱期に、どのような資産を保有すべきか?」を考えなければいけないのだが、結論としては、やはり、「貴金属」が、最も望ましいようである。