本間宗究(本間裕)のコラム
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2017.3.14
地銀の特別検査
3月9日の日経新聞に、「金融庁が、地銀の特別検査を開始する」という記事が掲載されたが、この点には、特別の注意が必要だと感じている。つまり、表面上は、「外債投資による損失」が理由として挙げられているが、実際には、これから想定される「日本国債への投資による損失」を危惧している可能性が存在するからだ。具体的には、「20年債」や「30年債」などの「長期国債」を、現在、地銀が大量購入していると言われており、今後、「金利の上昇局面」では、これらの投資に対して、巨額な損失が発生する状況も想定されるのである。
そのために、「予行演習」という言葉が使われ、現在の「外債投資による損失」は、単に、「今後の日本国債からの損失」に関して「予兆的な出来事」と想定されているようだが、この時の注目点は、やはり、「金利上昇の速度」とも考えられるようである。つまり、これから想定される事態は、世界的な「国債バブルの崩壊」だと考えているが、私自身が、最も注目する点は、「債券」と「株式」との「違い」である。
具体的には、「株式バブルの崩壊」については、今までに、何度も経験したように、「短期的な急落に多くの人が怯えるものの、その後、必ず、復活した」という状況だったが、これから想定される「国債バブルの崩壊」については、「株式とは違い、スピードの速さと規模の大きさが存在するのではないか?」とも想定されるのである。別の言葉では、「金融システム」や「通貨制度」が崩壊する可能性を含んでいるのが、「国債と、その裏側に存在するデリバティブのバブル崩壊」とも思われるのである。
そのために、今後の展開については、今までとは、全く違った認識を持つ必要性があるようだが、実際には、本当の意味での「インフレ(通貨価値の下落)」を理解することだと考えている。つまり、昨年の10月に、「イエレン議長」が指摘したように、現在でも、「インフレ」や「デフレ」が、経済学において、正確に説明されていないために、今後の展開については、既存の常識を捨て去ることが重要なようにも感じられるのである。
具体的には、「信用創造の仕組み」や「お金の性質」を、より深く理解することでもあるが、実際には、「なぜ、現在、世界的な金利上昇が発生しているのか?」を、正確に認識することだと考えている。つまり、「1971年のニクソンショック」以降、大量に創り出された「コンピューターマネー」が、断末魔の悲鳴を上げている状況を理解することであり今後は、この点が、投資の成果にも、大きな影響を与えるものと考えている。