本間宗究(本間裕)のコラム
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2017.5.15
求道者の減少した社会
かつて、日本には、数多くの「求道者(ぐどうしゃ)」が存在した。「真理」を求め、「人生の意味」や「大自然の理」などを考える人たちである。そして、彼らの存在により、「自然科学」や「社会科学」が発展し、「便利で快適な生活」が可能になったものと思われるが、現在では、反対に、「真理よりも、お金を求める人々」が急増した状況とも言えるようである。つまり、「自分の利益」だけを考え、「他人の痛み」や「地球環境の劣悪化」などを無視し続けている人々のことだが、この結果として発生した事態が、「マネーの大膨張」であり、また、「数多くの自然災害」とも想定されるようである。
別の言葉では、「現在の人生」だけを考え、「子孫」や「来世の人生」などを無視した人々のことでもあるが、このような状況下で、実際に、かつての「求道者」たちの書物を読むと、「現在が、いかに危機的な状態にあるのか?」に、思いを馳せざるを得ないようにも感じている。つまり、「諸行は無常である」という言葉のとおりに、「世の中は常に変化するとともに、現在の利益や名誉は、あの世に持ってはいけない」という厳然たる事実を、現代人が、忘れ去った状況のようにも思われるからである。
しかも、現在では、「現世の行いが、来世に反映される」という点などは、「非科学的な意見である」とも考えられているようだが、現在の「科学」と呼ばれるものは、「天地自然の理」に関して、「きわめて僅かな部分が解明されただけにすぎない状況」のようにも思われるのである。つまり、今後は、「科学の更なる発展」により、「此岸」という「この世」だけではなく、「彼岸」という「あの世」の存在も解明されるものと想定しているが、現在、最も危機的な点は、やはり、「現代の神様」となった「お金」が、実は、「単なる数字」であり、「実態が存在しない状況」とも考えられるようである。
別の言葉では、「お金」だけを信用し、「そのほかは、何も信用できないような社会」を生み出した現代人が、今後、「お金が、実は、全く信用できないものである」という事実に気付かされた時に、「どのような行動を取り始めるのか?」が気に掛かるが、その時には、「歴史は繰り返す」という言葉のとおりに、かつて存在した「求道者」が増え始める状況も想定されるようである。
つまり、「真理」を求め始める人々が増える状況を想定しているが、「世界の歴史」については、結局のところ、この繰り返しにより、常に、進化、発展し続けている状況とも考えられるようである。