本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.7.11

中国の夢と上海協力機構

「6月9日の産経新聞」で、「上海協力機構(SCO)へ、インドとパキスタンの加盟が承認された」という記事が掲載されたが、海外の識者は、この点に、大きな注目をしているようである。具体的には、私自身も、初めて耳にした「ハートランド理論」を、現在、「中国」や「ロシア」などが、「通貨戦争」において採用している可能性が指摘されているが、同時に、今まで、「中国」や「ロシア」、そして、「インド」が、「なぜ、金(ゴールド)を大量に買い続けているのか?」の理由として「金融面での中軸地帯を作ろうとしている可能性」が示唆されているのである。

つまり、「習近平氏」の「中国の夢」として、「2049年」の「新中国建国100周年」までに「世界の覇権国家となる目標」が存在するようだが、この時に、「上海協力機構」(SCO)が、現在の「経済協力開発機構(OECD)」の代替機関となる可能性が考慮されているのである。具体的には、今回、「加盟8カ国で、世界の人口の43%、国内総生産(GDP)の24%を包含する機構」となったが、この時に、「金本位制構想」が計画されている可能性も示唆されているのである。

また、この点については、現在の「通貨戦争」が「最終局面に突入した」という認識とともに、「米国におけるトランプ大統領の就任が、戦争のペースを速めた」とも理解されているようである。つまり、今後は、「中国」と「ロシア」が、「アメリカの失敗」を待つのではなく、「独自の政策」を実行する段階に入ったとも考えられているようだが、このことは、前述の「国債」と「金」とを巡る「金融大戦争」において、「国債価格の暴落後に、金本位制を推進しようとする動き」のことである。

より具体的には、今後、「アメリカ」を中心とした「西洋諸国」は、「1991年のソ連」と似たような苦境に陥る可能性があるために、今まで、「中国」や「ロシア」などの国々が、「次の覇権国家」を目指して、着々と準備を積み重ねてきたものと考えられるのである。しかし、この点については、「歴史の法則」を無視した「時代錯誤の考え方」とも言えるようであり、私自身としては、まったく違った展開を想定している。

具体的には、「武力」や「資金力」で、「他の国々を支配する体制」が、今後、「時代遅れの考え方」になる可能性のことであり、実際には、「文明法則史学」が教える「東洋の時代」が、「過去800年間の西洋の時代」とは、まったく違った価値観が広まる可能性のことである。