本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.8.1

7月に発生した変化

「暦の観点」からは、「2017年4月」から「2018年1月」までの「10ヶ月間」が、「人々の意識や認識が、大きく転換する期間」を想定しており、また、「7月」については、「年と月と日の全てが丁となる時期」のために、大きな注意を払ってきた。しかし、実際に発生した現象としては、「都議会選挙での大敗北」や「加計学園問題」などによる「安倍首相の信用失墜」だけに終わったようである。つまり、私自身としては、「国債価格の暴落」や「デリバティブによる巨額損失」などを想定していたが、いまだに、「私の人智」と「天地自然の理」との間には、タイミングの食い違いが存在しているようだ。

より詳しく申し上げると、「天や神は、事実でしか真理を表さない」ということが、私自身の経験則であり、このことは、「相場は常に正しい」という言葉に通じるものと考えている。そのために、「予測」と「事実」との間に「相違」が生じた場合には、「なぜ、間違えたのか?」を考えながら、常に、「人知」を「天意」に合わせる必要性が存在するのだが、今回の「タイミングの違い」については、「私の先走り」が原因だったようである。

つまり、「マネー(お金)」の根本は「信用」であり、「信用が存在する限り、マネーの大膨張が継続する」という「ケインズの言葉」は、間違いのない真理だと考えているが、この点については、「2008年前後のGFC(グレート・ファイナンシャル・クライシス)」までの状況だったものと考えている。そして、その後の「QE(量的緩和)」については、「根のない切り花」のように、「過去に吸い上げて蓄積された水により、かろうじて、花が枯れずに済んだ状態」であり、今回は、「この点が、はっきり見えるような事件」の発生を想定していたのである。

しかし、実際には、「安倍首相の支持率急低下」、あるいは、「トランプ大統領の混迷」などのように、「国家や政府の信用失墜」だけで終了したようだが、この点については、「時間の問題で、次の展開に繋がる状況」が想定されるようである。具体的には、前述のとおりに、「国債価格の暴落」や「デリバティブの巨額損失」などのことだが、この時の注目点は、やはり、「国民の意識と行動」に関する「変化」でもあるようだ。

つまり、「政府」や「日銀」、そして、「通貨」に対する「信用」が失墜した時に、「自分の預金は、本当に安全なのだろうか?」などを考え始める状況のことだが、この点において、「7月の変化」は、きわめて大きな意味を持っており、このことが、現時点での「天意」だったようにも感じている。