本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.9.13

FRBが保有する金の残高推移

現在、海外では、「金(ゴールド)」に関するコラムや調査レポートが、数多く出ているが、このことは、人々の関心の高まりを表しているものと考えている。つまり、どのような商品においても、「需要」が発生するためには、「人々の興味と関心の高まり」が、重要な役割を果たしており、また、「需要」の増加に伴って「供給」が増えるという「メカニズム」が考えられるからである。

そして、今回は、「コサレス氏」という金融専門家のコラムを紹介させていただくが、内容としては、「過去100年間に、FRBが保有する金の残高が、どのような推移を見せたのか?」というものである。具体的には、「第一次世界大戦」の前に、「1000トン」にも満たなかった残高が、「二つの大戦」の後には、「2万2000トン」という「世界全体の約8割」を占めるほどにまで急増した状況のことだが、その後は、「1944年のブレトンウッズ協定」により、「一オンス当たり35ドル」という公的価格が設定され、「1971年のニクソンショック」の前には、「約8000トン」にまで急減したのである。

つまり、「第一次世界大戦の始まり」から「第二次世界大戦の終了」まで「約31年」という期間にわたり、「金の残高」が劇的な急増をしたために、当時の「米国政府」には、「金残高の減少に対する危機感」が存在しなかったものと推測されるのである。別の言葉では、「ドルは、金と同じぐらいの優良資産である」と考えたようだが、この意見に疑問を持ったのが、「ドイツ」や「フランス」などの「ヨーロッパ諸国」でもあった。

そして、「ドル」よりも「金」の方に、より大きな信頼感を置き、徐々に、「金への交換」をした結果が、前述のとおりに、「1万4000トンもの金残高の減少」となったのである。また、この事実に驚き、慌てた「ニクソン大統領」は、「史上初めての試み」である「通貨」と「貴金属」との関連性を断つ暴挙に訴えたが、この結果として発生した出来事が、いわゆる「マネーの大膨張」でもあった。

具体的には、「糸の切れた凧のような状況」で、「デリバティブ」が大膨張し、また、「国家の債務問題が、世界的にコントロール不能な状態となりつつある状況」のことである。そして、この点について、「コサレス氏」は、「歴史の教訓」として、「問題が大きくなりすぎた場合、往々にして、政府が対応不能な事態に陥る」という結論を述べているが、現在の「世界的なマネーの大膨張」や「国家の債務問題」も、間もなく、同様の結末を迎えるものと考えている。