本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.11.27

2017年を振り返って

「2017年の特徴」としては「金融メルトダウン(炉心溶融)の進展」が引き起こした「ビットコインのバブル相場」が指摘できるものと考えている。つまり、「2007年から2008年」の「グローバル金融危機(GFC)」以降、最初に、「デリバティブ(金融派生商品)」の残高が減少を始め、その後、いわゆる「量的緩和(QE)」が世界的に実施されたわけだが、この結果として発生したのが、世界的な「国債バブル」でもあった。しかし、「国債バブル」は、「2016年の半ば」に「マイナス金利のピーク」を付けるとともに、「バブルの崩壊」が始まったようだが、このことは、「金融の逆ピラミッド」において、「債券」の部分が、実質的に食い潰された状態を表しているものと考えている。

その結果として、「金融のメルトダウン」が、その下に位置する「預金」の部分にまで侵食したものと思われるが、この結果として発生したのが、今回の「ビットコインのバブル」でもあったようだ。具体的には、年初の「約1000ドル」が、「12月」には「17000ドルを超えた事態」のことだが、今後の注目点は、「ビットコインのバブル崩壊後に、どのような事態が発生するのか?」だと考えている。つまり、現在では、「日銀による異次元の金融緩和」が限界点を迎え、また、「欧米の金融緩和政策」も、大きな転換点を迎えている状況とも言えるのである。

別の言葉では、今までの「世界的な金融緩和政策」により溢れ出した資金が、「株式」や「土地」などに流れ、世界的な「株高」や「土地価格の高騰」をもたらしているのだが、この点については、典型的な「ギャロッピング・インフレ」を表しているものと考えている。つまり、「通貨の堕落」が発生すると、最初に、「クリーピング・インフレ(忍び寄るインフ)」が発生し、その後、「企業業績の好転」や「株高」などの「ギャロッピング・インフレ」に繋がるのだが、問題は、その後の展開とも考えられるのである。

具体的には、「黒田日銀総裁のコメント」が変化してきたことからも明らかなように、現在では、「世界の先進国」が、こぞって、本格的な「インフレ政策」を実施し始めたものと想定されるのである。つまり、「戦後の日本」と同様に、「インフレで借金を棒引きにする方法」を選択し始めた状況のことだが、今回の注目点は、「日本」だけではなく、「先進各国が、同様の出口戦略に悩まされている」という事実である。そのために、「これから、どれほどのインフレが世界を襲うのか?」が、「2018年」の、最も大きな注目点とも言えるようだが、当面は、更なる「世界的な株高」に加えて、「貴金属価格の急騰」が始まるものと考えている。