本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.2.27

一念三千

「天台宗」の根本教理に「一念三千」があるが、「三千世界」、すなわち、「十界×十界×十如是×三世間=三千」については、基本的に、「世界全体」を表しているようにも感じている。そして、「円通」、あるいは、「融通無碍」という言葉のとおりに、「特定の考え方や行動に囚われることがない様子」を表しているようだが、この点については、私自身が考案した「心の座標軸」と同じ意味を持っているものと思われる。

心の座標軸

具体的には、上記のグラフのとおりに、「人々の心」については、「志」、または、「心指し」という言葉のとおりに、「ある一定の方向性」に向かっているようにも思われるのである。つまり、「2018年」については、徐々に、「見えないもの」、そして、「他人」の方に向かい始めているものと考えているが、基本的に、「心の指す方向性により、その時代の社会が形成される」という事実が指摘できるようである。

また、「西暦1800年から2000年」が「資本主義の時代」とも言われているが、この時の「心指し」は、「目に見えるもの」と「自分」の方に向かい、その結果として、「マネーの大膨張」が発生したものと考えている。別の言葉では、「お金が神様になった時代」とも言えるようだが、実際には、「人々の欲望」が「パンドラの箱」から出てきたことにより、「技術革新」とともに、数多くの「事件」や「戦争」などが発生した時期でもあった。ただし、今後は、「社会科学」という「人間の行動を研究する学問」が、「AI(人工知能)」とともに発展し、「人類の歴史」を俯瞰することにより、「何物にも囚われない、融通無碍、あるいは、一念三千の社会」が形作られるものと考えている。