本間宗究(本間裕)のコラム
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2018.3.12
地に堕ちた財務省
「森友学園問題で、財務省が、公的文書の書き換え、あるいは、改竄(かいざん)を認めた」という前代未聞の事件が発生したが、この点については、「信用創造のメカニズム」と深い関連が存在するようにも感じている。つまり、下記のグラフのとおりに、「信用創造」が行われ、結果として、「マネーの膨張」が発生してきたが、問題は、「1990年のバブル崩壊」以降、「不良債権」が、この逆の順番で移行した点である。
具体的には、最初に、「民間企業」や「個人」に「不良債権」が発生し、さまざまな不祥事が発覚したのだが、その後、「民間銀行」へ不良債権が移動し、「1997年」には、「山一証券」や「北拓銀行」が、「飛ばしの発覚」などにより、倒産の憂き目にあったことも記憶に新しいものと思われる。そして、その後は、「不良債権」が消滅するのではなく、単に、「国家」や「中央銀行」に移動した状況となり、現在では、「財務省」などの「官僚組織」において、多くの不祥事が発生しているようにも感じられるのである。
また、この時に思い出されるのが、「民間企業」においても、以前に、「権力」を持った人に反抗できない状況が発生し、結果として、「問題の先送り」や「不祥事の隠蔽」などが発生した状況である。別の言葉では、「多くのサラリーマンが、自己保身に走った結果として、企業の存続が危うくなった事態」のことだが、現在では、このような状況が、「国家」や「日銀」で発生しているようにも感じられるのである。
その結果として、「国家の体力」が失われ、また、「国民の気力」も失われつつある状態とも言えるようだが、歴史を見ると、このような状況下で発生する現象は、「全ての国民が驚く事件」であり、今回は、やはり、「大インフレ」が想定できるようである。