本間宗究(本間裕)のコラム
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2018.5.11
マネー依存症に冒された現代人
「TOKIOの事件」には、たいへん驚かされたが、私自身は、たまたま、事件発覚前に、アルコール依存症から立ち直った人の講演を聞く機会があった。具体的には、「アルコール依存症は、精神的な疾患であり、決して、軽く見てはいけない。そして、一生、一滴も、お酒を口にしてはいけない」とのことだったが、実際には、「脳の萎縮」が進行し、最後には、「命にかかわる病気」でもあるようだ。
また、この方は、「11日間連続してお酒を飲み続けた時に、命の危機を感じ、その結果として、気付きを得ることができた」とも述べられていたが、興味深かったのは、「多くの場合、立ち直るきっかけが、底つき体験である」という意見だった。つまり、「人生のドン底を経験した時に、アルコール依存症から立ち直る可能性が高い」という意見のことだが、気付きを得られる前は、きわめて強い「飲酒渇望」と「コントロール障害」が発生していたそうである。
より具体的には、「お酒を飲みたい欲望」が、ますます強くなり、最後には、「コントロールできない状態」に陥るそうだ。そして、同時に、「自己中心性」という「物事を自分に都合のよいように解釈し、ほかの人に配慮しない態度」が生まれ、「多くの家族的・社会的問題」を引き起こすことも多いそうである。
そして、この講演を聞いた時に感じたことは、「現代人は、マネー依存症に冒されているのではないか?」ということだったが、実際には、現在、「マネーへの強い渇望」が、世界の金融システムを、コントロール不能な状態に陥れているようにも思われたのである。しかも、現在では、「政府」や「中央銀行」が、「自分の都合の良い解釈に終始し、さまざまな問題を引き起こしている状況」とも言えるようだが、今後は、「金融面における底つき状態」を、世界全体が体験するものと考えている。
具体的には、今までに詳しく申し上げたように、「金融システム」や「通貨制度」の崩壊であり、実際には、「国債価格の暴落」をキッカケにして、世界の資金が暴れ出す状況のことである。別の言葉では、「インフレ」が加速して、コントロール不能な状態に陥る可能性でもあるが、今までの推移を考えると、これほどまでの大混乱が発生しない限り、現代人は、「マネー依存症」から立ち直ることができない状況とも言えるようだ。そして、現在では、体力の弱い国家である「アルゼンチン」や「ベネズエラ」から、すでに、この状況が発生しているものと考えている。