本間宗究(本間裕)のコラム
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2018.12.1
ゴーン・ショックが意味するもの
今回の「ゴーン・ショック」には、たいへん驚かされたが、同時に、ある種の「閃き」を得られたようにも感じた。具体的には、「時代の終焉を告げる除夜の鐘のようなものだったのではないか?」ということだったが、実際には、「人間の煩悩」に関して、今回の事件が、我々に「大きなヒント」を与えている可能性のことである。
別の言葉では、「ゴーン統治の19年間」は、「人間の欲望が全開したものの、多くの人々が、さまざまな矛盾に気付かされた時期」だったようにも感じられるのである。また、今回は、私と同年齢の「ゴーン容疑者」が、「過去19年間、どのような想いで行動してきたのか?」という点も気に掛かったが、実際には、私自身が、「デリバティブの大膨張」に呆れ、「マネーの謎」を考えていた時に、「ゴーン容疑者」は、「日産の再建成功」という実績を基にして、「自分のお金儲け」に邁進していた状況でもあったようだ。
つまり、「ゴーン容疑者」が求めたものは、「地位や名誉、あるいは、お金」という「地の位」であり、この時には、「精神的な成長」という「天の位を上昇させる行為」が忘れ去られた状況でもあったようだ。より詳しく申し上げると、「ゴーン容疑者」が、以前は、「時代の寵児」だったものが、現在では、「一つの時代が終焉した事実」を、世界的に知らしめる人物に変化したようにも感じている。別の言葉では、「1971年のニクソンショック」から始まった「通貨制度」、すなわち、私が提唱する「信用本位制」が終焉した可能性のことだが、今までは、「お金が全てである」と考える人々が増えた結果として、「お金儲けのためなら、どのような行為も厭わない」というような事件が多発しているのである。
つまり、「西暦1200年頃」から始まったのが、「物質文明」を重んじる「西洋の時代」であり、また、「西暦1600年頃」に発生したのが「時は金なり」という思想でもあった。そして、「西暦1800年頃」から、「資本主義」という、「お金(資本)が、最も大切(主義)なものだ」という社会が広まり、最後の段階で、「信用本位制」という、「影も形も存在しない、単なる数字」が「本位通貨」となった時代が誕生したのである。
また、その最後の段階で発生したのが、今回の「ゴーン・ショック」だったが、このことは、「108回の除夜の鐘」の「最終段階」を意味しているものと感じている。つまり、今までに何度も「除夜の鐘」が打ち鳴らされ、「人類への警告」が発せられてきたものの、「人々は気に留めず、依然として、欲望の全開に邁進してきた」という状況でもあったようだが、今回は、この点に対する最終警告が発せられたようにも感じている。